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無肥料・無農薬の南高梅を作られている
「てらがき農園」さんを訪問し、製品への想いを伺いました。

2017年9月6日(水)


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梅の木への栄養は太陽の光と水だけ。
農薬を与えても木が病気になってしまったのがきっかけで、無農薬へ舵を切ったのです。

和歌山県日高郡。「梅の本場、紀州」と呼ばれるこの地域は、相性の良い農作物が少ない土質であったのが、徳川吉宗の 一声で梅の産地へと変わっていった歴史があります。

「ここは海から吹いてくる風がミネラルを多く含んだ塩分を梅に与えてくれるので、塩化ナトリウムで表される” 塩” よりも豊かな風味と食感が梅に与えられるんですよ。除菌効果もあるし。」

と、てらがき農園の農園長、寺垣信男さん。
天日干ししている梅を目の前にすると、海風にあたった梅の甘い香りがふわぁーっと周りに拡がるのがわかります。

てらがき農園は、毎年毎年、微妙に異なる気候条件を考えながら、梅の木にとって一番適した栽培方法を追求されています。寺垣さんの梅の栽培は研究を重ね、今でも進化し続けています。

「梅の木は、良い菌と悪い菌の陣取り合戦の場みたいなもの。以前は除菌を期待して農薬を使っていたのに、木が病気になってしまった。それならばと、低農薬を始めてみました。他の農家さんとの差別化にもなると思って進めていたら、ある日買ってくださったお客さまから大好評の声をハガキでいただいた。それがきっかけで無農薬を追求しようとなったんです。」

結果、従来の農家さんが行う栽培法とは逆のことをやってしまっている、と寺垣さんは笑います。
今では肥料の類を一切与えず、栄養は太陽の光と水だけ。

木々に栄養が行き届くためにもっとも大切なのは、木の剪定だそうで、これも和歌山県のみかん栽培指導員のアドバイスを基に独自の方法で剪定を行っているとのこと。
剪定によって木の持つホルモンを活性化させることができるのだそうです。

「自分たちは、梅を栽培するというよりも、梅の木が健康に育っていくためのお手伝いをしているような感覚です。」

重労働の末に収穫した梅の7割は使わない。
厳選した天然素材の梅は、食感・歯ごたえ・おいしさが本当に違う。

パイロットファームの一画と、広大な山にあるてらがき農園の梅畑。
特に山中にある梅畑は勾配もきつく、寺垣さんは1シーズンで体重が10kg も減ってしまう、まさに重労働がおいしい梅づくりを支えています。

「山での仕事は本当にきつい。でも急斜面に立つ梅の木は太陽の日差しを贅沢に浴び、海風にもあたる。ここで収穫できる梅は本当においしくなるんですよ。」

厳選された梅の実を樽につけて含有塩分の比率を上げ、その後、3日3晩の天日干しを経て、3年間の熟成。 余計なものを一切入れずに、長い時間手間暇をかけてつくられた梅干しは、肉厚でジューシー、酸味と旨味のバランスも贅沢に整った、とてもおいしい梅に仕上がります。

「割烹料理や和食の料理人の方々からは、少量でもしっかりとアクセントになる梅干しだと評価いただいています。」

収穫した梅の7割は表面に黒い点々が付いてしまっているそうで、これはカビの類とのこと。

「このカビは食べても問題ないのですが、やはり食感が異なってしまうので、うちでは梅干しに使わないんです。」

日本にはJAS 法における無農薬表記の規約があり、その認定を受けたものが無農薬栽培の表記を行うことができるのですが、てらがき農園は、その認定を受けた上でさらに厳しい条件を自らに課し、安心して食べていただける梅の栽培にこだわっています。

子どもたちに、本当の梅を知ってもらいたい。
毎年、ご希望いただいた全国の保育園・幼稚園・小学校に無農薬の生梅をご提供しています。

今、スーパーやコンビニで売られている梅干しは甘いものが多く、最近の子供たちの中には梅干しを「甘い食べもの」と思っている子も多いそうで、寺垣さんはそのことを気にしています。

「梅干し、と聞くと唾液が出るじゃないですか。最近は条件反射で唾液がでないお子さんもいるらしいんですよ。お医者さんによると、唾液がでないことで病気にもなりやすくなる、と聞いています。」

そこで寺垣さんは毎年、ご希望いただいた全国の保育園・幼稚園・小学校に自然栽培・無農薬の生梅をお送りし、昔ながらの梅干しを子供たちに体験してもらっているそうです。

「本当の梅干しは酸っぱい。でもそれが先人の知恵によって様々に使われてきた梅干しの姿であり、健康にも良いことを知っていただきたいのです。」

食の3重丸より

山に広がる広大な農園を目の当たりにし、農薬を使わない梅干しを作ることのご苦労が並大抵のものではないと感じました。
それほどのご苦労をしてまで無農薬にこだわるのは、お客さまからのご要望があるからこそ。ひとえに食べられる方々を思う強い愛情によってのことだと、お話から伝わりました。

「同じように無農薬で梅干しを作る仲間を少しでも増やしたい。そのために菌による減収を何とか抑えることが、仲間の取り組みへの後押しとなる」という言葉、社会へ無農薬農作物を広めたいという一途なお気持ちに心打たれました。

食の3重丸. 2017年度認定製品 『 農薬を使用していない南高梅(味梅/ 小梅 / 昔梅 )
こちらからご購入いただけます。

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てらがき農園
〒645-0014 和歌山県日高郡みなべ町西岩代 1204
TEL:0739-72-5105 / FAX:0739-72-5574
E-mail:ume@mukasiume.com

お問い合わせ時間:9時~18時
定休日:土・日・祝
URL : http://www.mukasiume.com