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産地と味、そして品質にこだわり続ける『前原製粉株式会社』

2020年3月2日(月)


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世界遺産 姫路城が建つ兵庫県姫路市。
姫路駅から2駅の余部駅を降りると、紅葉した美しい山々が目の前に広がっていました。
その地域で明治の末期より穀粉業を営む『前原製粉株式会社』 を訪問しました。

お話を伺ったのは、代表の前原 啓作さん。
お餅の製造で忙しい11月下旬にもかかわらず、快く取材をお受けいただきました。


産地にこだわった製品づくり
精米工場入口はお米の袋であふれており、包装もち工場内は蒸しあがったお米のいい匂いが漂っていました。
前原製粉では、原料もち米として国内産100%にこだわっていることはもちろん、特に産地にこだわって作っています。
「兵庫県産」だけではなく、日本の各地域のもち米を使った製品を多く製造されています。
もち米の産地だけでもなんと、20種類!!
他にも、きな粉や白玉粉なども産地にこだわり製造されています。
その地域で採れた原料米を使い、産地ごとに製品を作る。
そして、その地域のお店に販売してその地域の方々が購入され、食べていただく。
実際、消費者から前原製粉へのお問合せの中でも、「国内産」と表示していても、どこの産地の米かという問合せが多いと前原さんは言います。
近年、消費者の農産物に対する安全・安心志向が注目され、「地産地消」への期待が高まってきているのだと感じました。
また、300kg以上であれば、もち玄米を持込むと、精米して無菌化の個包装パックの餅に加工してくれるそうです。
前原製粉の技術であれば、少量でも高品質で長期保存可能なお餅にすることができるということですね。
もち米生産者さんが個人で消費する為だけでなく、個包装したものに生産者さん自らのラベル表示を貼り販売ができるように、地産地消の支援をされています。


徹底した衛生管理
お餅の製造工程を見学させていただきました。
クリーンルームの壁や天井は真っ白で、築25年の工場とは思えません。
工場内のクリーンルームに入る為に、何度も手を洗い、消毒し、うがいやまゆげまつげ取り等、入念な準備をして入ります。正直これほど入念な準備をするのは初めてでした。
手洗い等を徹底している理由として、部屋はきれいでも殺菌する機能はなく、仮に汚れたものを持ち込んでしまうと、中で菌を殺すことはできません。
持ち込まないために、何度も手を洗う。手袋の下も、手袋をしてからも殺菌し、衛生管理を徹底しているとの事でした。
クリーンルームの吹き出し口にはフィルターがついていました。
きれいな空気を出し、また外から新たな空気を吸っていて、餅を個包装する空間は常にきれいな空気が満たされているとのこと。
この中は圧力が高く、製品の出口や、出入りする開口部から外に空気が出ており、外から汚れが入ることはない仕組みになっているそうです。
従業員が使用する作業服は毎日、レトルト殺菌するこの機械で滅菌します。


品質と味は妥協しない
機械製造であっても、昔ながらの本格的な杵つき餅の製造を守られています。
玄米を精米し、お米を蒸し、餅をつくという製造工程です。
美味しさにこだわり、もち米は精米したてのものを使用しています。
また精米の度合いで微妙に味が変わる為、精米機にもこだわっています。
旨味をいい塩梅に出せるように、精米を微調整できるメーカーの機械を使用しているそうです。
また、色彩選別機や0.5mmの異物をはじくエックス線の装置を使い、お米の汚れや異物選別は 高いレベルで品質チェックがされています。


常に良い素材を探し続け、仕入れること
前原さんは、こう言います。
「おいしいものをいかにお届けするかを大切にしています。
原料が単一のシンプルな製品は嘘がつけない。素材の良いもの・美味しいものを仕入れるようにしています。
常に良い素材を探し続け、仕入れたものや生産したものは、必ず食味して味はシビアにチェックしています。

製造工程をできるだけクリーンにし、原料と製造環境とおいしい水があれば良いものができる。
量では業界トップの会社には勝てないけれど、品質や味で日本一になり選ばれていきたい。
感動、感激するものを皆さんにお届けすることを大切にしています。」

実は、赤穂観光大使でもある前原さん。
登録商標に「義士」の文字が使われています。
義士とは勿論、「忠臣蔵」でおなじみの「赤穂義士四十七士」のことです。
戦前に家業として粉屋を営んでいた頃に付けた登録商標で、当時は姫路城よりも全国的に有名でした。
「義士」とは「正しい行いをする人」という意味で、その名に恥じないように物づくりに心を込めて行うよう心掛けているとの事でした。

実はこの文字、若かりし頃のまだ無名だった書道家・武田双雲さんに書いてもらったものだと教えてくれました。

そして、前原製粉のイメージソングも前原さんが作詞したもの。
聴かせていただきましたが、心に響く本当に良い歌詞です。
前原製粉のホームページで聴くことができますので、ぜひ一度聴いてみて下さい。


食の3重丸より
一年で最も多忙な時期の訪問であるはずなのに、とても心配りのあるご対応を頂き社長 前原様のお人柄に触れることができました。
食べるととても伸びが良い前原製粉さんのお餅、気になっていましたが 実際、杵つきの工程を見ると納得しました。

お水が美味しい地でのものづくり
そして何よりお餅という差別化の少ない食品だからこそ、品質に強いこだわりを持たれていること。

商標の「義士」に表れていますが
今回は前原さまの、、、前原製粉さまの「誇り」を伺えた訪問となりました。


訪問日 2019年11月26日



食の3重丸 2019年度・2020年度認定製品
[特栽(福岡)ひよくまる餅][佐賀県産大豆きなこ][石川白玉粉]は
こちらでご購入いただけます。

前原製粉株式会社
〒671-2221 兵庫県姫路市青山北3丁目10-1
TEL(079)266-0520/FAX(079)267-2003
URL : 前原製粉Webサイト
Facebook : 前原製粉株式会社
Instagram : maeharaseifun