納豆・豆腐を通じて、北海道の「懐かしい味」を今もつくり続ける。
そのためにも十勝産大豆を使うことにこだわりたい。
北海道江別市。河川敷沿いの工業団地内の一角に、オシキリ食品は本社と工場を構えています。
納豆・豆腐・こんにゃく・油揚げ・もやしを製造し、地元の食卓ではお馴染みの味を提供し続けている一方で、大手コンビニやスーパーのPB商品を数多く引き受けてもいる、道内で大きく信頼されている食品会社です。
人によって好みの味が分かれがちな納豆において、オシキリ食品の納豆は、食の3重丸が会員向けに開催する試食会や一般向けの販売会などにおいてもつねに好評を得ている認定製品の一つです。
また道外での物産販売会では、来られた北海道出身のお客様から「懐かしい味」と喜ばれているそうで、その理由に「十勝大豆の糖質の高さ」があると言う、品質管理部の西澤さんからお話しを伺いました。
十勝産大豆は寒暖の差や疾病に強いのが特徴。
オシキリ食品の代表的な製品「十勝納豆」では「とよまさり」という十勝産大豆を使用しています。
道内の数ある大豆の中でも特に糖質が高く、食卓に甘いものがよく並ぶ北海道の食習慣に馴染むはず、という考えもあったそうです。
2016年は何度も台風が来たことにより、十勝産原料への被害も大きかったそうで、何とか製造に足る量を確保できたとのこと。最近では、海外産の原料は遺伝子組み換えのものが多く普及されている中、国産(特に北海道産)ものの調達は大切な取り組みである、と西澤さんは言います。
鮮度の高い出来のまま、リーズナブルな価格で提供するために機械化を導入。
一人一人が多くの工程を知り、互いに品質を高め合う製造体制ができていることが特徴。
水洗いした大豆を水に漬けるところから納豆作りは始まります。
水を吸い膨らんだ大豆を釜へ移して蒸し煮。その後、納豆菌をスプレーで満遍なく吹き付けます。蒸し煮釜からの撹拌、ムラのない吹き付けは、それ自体が大変な作業になります。
「HACCPに基づく衛生管理を行いながら製造していますが、納豆の出来については数値だけで説明できる世界ではなく、技術者の経験則に依るところも大きいんです。」
納豆菌を吹き付けた後は、パック詰め工程へ。納豆はパックの中で発酵されます。
発酵室はコンピューター制御で約1日かけて発酵させてから冷却。その後包装・出荷の工程へ移ります。その間2日。
「人の目や手が必要な工程にしっかり人を配置して、互いの作業を手伝う仕組みができています。それと並行して、機械で管理できることは、構築したマネジメントシステムを使いながら間違いのないよう運営していく。道内での大きいシェアを考えると、間違いなくしっかりと安全な納豆を作ることが、弊社としての責任であり努めだと思っています。」
大豆は、各工程現場で細かに精査されていく。その手間と見極めは職人の技。
工程の様子次第で発酵時間に微妙な差を設けていく。
オシキリ食品は製造する納豆の種類だけでも多岐にわたり、どれもが美味しいと評価されているのですが、その美味しさの要因は何なのか。
結局は「HACCPと技術者の経験のバランス」 だそうです。
「HACCPは危害制御の意味が大きいと思いますが、決められたルールで製造することで品質が安定するメリットがあります。お客様に安心・安全な製品を供給するのはもちろんですが、技術者の経験は数字では表現できないものです。こだわりを持った技術者がさらに品質を向上していると言っても過言ではありません。」
最近は海外にも十勝ブランドの価値が知られ流ようになり、北海道産であることに誇りを持つ一方で、原料やそれを支える大地の質を守っていかなければならないという議論が地元で聞かれるようになってきた、とのお話しも伺いました。
北海道・十勝の豊かな大地の恵は、ただ単に供されているものではなく、その土地を守ろうとする人々の想いの結果なのだと、取材をしていく中で感じるようになりました。
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食の3重丸より
多くの方に味わっていただけるよう大量生産する中で、原材料の確保他、さまざまなご苦労をお聞きしました。
北海道産大豆、その中でもとりわけ十勝産大豆を愛し、その美味しさを生活者に届けるための努力、十勝大豆を守ろうという愛情を強く感じました。
北海道の大地の恵みを、最大限に活かす努力をされている企業だと感じました。
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『十勝納豆ひきわり / 十勝納豆小粒 / 十勝納豆 』の
3製品が、食の3重丸. 2018年度 認定製品となりました。
オシキリ食品 株式会社
〒067-0051 北海道江別市工栄町5番地7
TEL:011-385-4451
FAX:011-385-4461
営業時間:10時~ 18時
定休日:月
URL : http://www.oshikiri-foods.jp