真摯にこだわれば本当に美味しい豆腐ができる。
愛知県瀬戸市。閑静な住宅地を抜けた国道沿いにひっそりと佇む平屋建てのお店。
近づくと「とうふ屋しろ」 と書かれた張り紙が見えます。
愛知県内の老舗豆腐屋で7年間豆腐づくりを担当してきたご主人が、栄養士の資格を持つ奥様と
2009年に開業した豆腐屋さんです。
前職時代、他県にある豆腐屋を見学した際に食べた豆腐の美味しさに感動し、自分でも前職の経験を
基にステップアップして豆腐づくりを極めたいと思ったのが独立のきっかけだったそうです。
日常の暮らしの中で、人々が豆腐の美味しさについて話しをする様子を見たことがなかったと言うご主人。
家計の中で食費を節約するという発想においては、豆腐も量産で安く売られているものに手が伸びがち...
だけど、「真摯にこだわりを持って作れば本当に美味しく価値のあるものができる。」
そういった想いを豆腐づくりを通じて伝えていきたいそうです。
もともと手を使ったものづくりが好きで、その延長で豆腐づくりを仕事に選ばれました。
美味しいかどうかはお客様が決めることだけど、
自分は自分が美味しいと思う豆腐づくりを追求したいというこだわりの中には、天然素材の活かした豆腐を作りたいという想いと、地域に根付く豆腐屋でありたいという、二種類の想いがあることがお話しから伝わってきます。
豆選び・にがりのブレンド・細かい手作業の連続。
すべての工程に大豆の味を引き出すための要点があり、経験を頼りにそれを進化させていく。
豆腐づくりでは、一般的によく使われる添加物(食品衛生法で指定)として消泡剤とにがりがあります。
磨砕した大豆に水を入れて加熱する(煮沸という)際に多くの泡が出る、そのままだと炊きムラができ食感も
悪くなるため、その泡を出にくくするのが消泡剤ですが、ご主人は消泡剤を使っていません。
手作業で泡をこまめに取り続けます。ひたすらこの作業を繰り返すことで、大豆の味を引き出しています。
また、にがり5種類を取り寄せ、試行錯誤を繰り返し適度なブレンド具合を見極めているとのこと...
「にがりの主成分は塩化マグネシウムで、人工的なものと海水から作ったものでは味わいが全然違うんです。」
「5種類のにがりはすべて海水を素に作られたものを使っていますが、その風味も海が違えばまったく異なります。」
大豆は北海道・愛知から、最近は青森や秋田のものも取り寄せ、毎度水煮をして美味しいと思ったものを選んで使う。
最近は地元・愛知産のものが安定供給されていて、よく使っているそうです。
「豆腐は、製法自体シンプルですが、どれも微妙なバランスの上に成り立つ食べ物です。」
「ブレンド具合・加熱の温度・凝固中の水の出具合など、地道に経験を積んだことでわかる感覚がある。
それを大切にしています。豆腐づくりの最中で豆は固まりやすいため、放置しておくと調理器具についた
豆腐が取れにくくなり、次の豆腐づくりにも良くない。つくる一方でひたすら掃除をし、作業場を清潔に保つことも大切な工程の一つなんです。」
出来立ての寄席豆腐をいただきましたが、柔らかい食感と豊かな風味が一気に広がりとても美味しかったです。
地域に根付く豆腐屋の良さを知ってほしい。
ご夫婦の二人三脚で営む豆腐屋さんのため、大きなメーカーと比べると
1日につくることのできる量が限られてはいます。
それでもその美味しさのファンになり多くのリピーターがいて、
地元の複数の飲食店にも豆腐を卸している「とうふ屋しろ」さん。
東別院の朝市などに定期的に出店し、そこで食べていただいたお客様から、新たなファンが広がるケースも多いそうです。
「昔は、必ずと言っていいほど地域に根付いた豆腐屋さんがあったでしょう。」
「今でもその名残はあるが、多くがスーパーにとって代わられている。
スーパーの豆腐も良いが、作り手とのやりとりが、見える世界も知っていただき、
豆腐を通じて街に根付いた店の魅力を改めて感じていただけると嬉しいですね。」
パン屋さんやケーキ屋さんの友人がおり、彼らの仕事が豆腐づくりの参考になることも多いと言う。
将来的には奥様が活躍するカフェも設けた豆腐屋にしたいと、抱負を語っていただきました。
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食の3重丸より
山内様 ご夫婦の控えめな言葉の中に実直なお人柄と、ものづくりが心底好きであるところ
熱く強い思いとこだわりの製法が「美味しさ」に繋がっていると感じました。
実際に豆腐造りを見ていただける機会は多くないと思いますので、少しでも皆様に雰囲気が伝われば幸いです。
栄養士でもある 奥様のBlog では、レシピや出店情報を見ることができます。
是非こちらも見てみてください !
食の3重丸. 2017年度受賞製品 『 油あげ / すくい豆腐 / 豆乳たっぷり絹こし豆腐 』は
こちらでご購入いただけます。
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とうふ屋しろ
〒489-0951 愛知県瀬戸市石田町253
TEL&FAX:0561-83-5657
E-mail:info@tofuya-siro.com
営業時間:10時~ 18時
定休日:月
URL : http://www.tofuya-siro.com