体に効く食薬ごはん 6月『玉蜀黍(とうもろこし)』

2026年6月30日(火)

蒸しても焼いても美味しいとうもろこしは世界三大穀物の一つ。
旬のとうもろこしは甘く、生でも食べられるほどです。
糖度を誇るものは、口に含むと、そのみずみずしい甘さに驚きます。
この季節ならではの味わいは、夏の大きな楽しみの一つですね。
毎年、生のとうもろこしを使って炊き込みご飯やかき揚げ、スープを作るのを私も楽しみにしています。


効果・効能

暑さから水分を摂りすぎてしまうと、胃が重く感じられることがありますよね。
薬膳において、とうもろこしは「胃の働きを整えてすっきりさせる食材」とされています。
疲れなどで胃の重さを感じるときは、適量をよく噛んで食べるのが効果的です。

糖質が高いためエネルギーの補給源になるほか、血液をサラサラにすると言われるリノール酸や、整腸作用があり便秘改善に役立つ食物繊維も豊富に含まれています。

また、とうもろこしの「ひげ」は生薬として使われるほど利尿作用が高く、尿の排出を促す働きがあります。
韓国ではひげをお茶(コーン茶)にして飲む習慣がありますが、日本でもすっかり人気が定着しました。
香ばしさの中にほんのりとした甘みがあり、ノンカフェインなので体にも優しく、美容にも良いとされています。

さらに、実の部分にも葉酸やカリウムが含まれており、水分代謝を促して余分な水分の排出を助けるため、むくみや体の重だるさの解消にも一役買ってくれます。
【美味しいとうもろこしの見極め方】
・ひげの数:ひげの数と粒の数は同じなので、ひげがふさふさと多いものを選びましょう。
・ひげの色:ひげが茶色くなっているものは、よく熟している証拠です。
・全体の重み:手に持ったときにずっしりと重みがあり、実が詰まっていて先端まで丸みがあるものがおすすめです。

食べ方・使い方

とうもろこしは鮮度が落ちやすく、栄養価も急速に下がってしまうため、購入したらなるべく早めに調理しましょう。

■ 蒸しとうもろこし
新鮮なものは、内側の薄い皮(中皮)を残したまま500Wの電子レンジで約5分加熱すると、水っぽくならず、旨味が凝縮し、栄養も逃げにくくなります。
皮がない場合は、水にくぐらせてからラップに包み、600Wで約4分加熱し、そのまま2分ほど蒸らします。

■ 茹でとうもろこし
茹でるときは、皮付きのまま、ひげ根と一緒に加熱するのがポイントです。

■ 炊き込みご飯
旬ならではの強い甘みを楽しめる一品です。
ポイントは、必ず「生のとうもろこし」を使うことです。

炊き込みごはん [材料](2合分)
・米…2合
・とうもろこし…1本
・酒…大さじ2
・粗塩…小さじ1と1/2
・昆布…1切れ

[作り方]
① とうもろこしは包丁で実を削ぎ落とす。
② 米は研いで30分ほど水に浸しておく。
③ 米をザルにあげてしっかりと水を切る。
④ 鍋(または炊飯器)に米、同量よりやや少なめの水、酒、粗塩を入れて混ぜる。(お好みでしょうゆを少々加えても美味しく仕上がります。)
⑤ 昆布と、実を削いだ後の「芯」を上に載せて普通に炊く。
⑥ 炊き上がる3~5分前に一度ふたを開けて芯を取り除き、①の実を加える。
(お好みで最初から実を入れて炊いても構いません。)

炊きたてはもちろん、冷めても美味しいのでお弁当にもおすすめです。
※さらにコクを出したいときは、削いだ実をバターでソテーし、仕上げに醤油を絡めてからご飯に混ぜ合わせると、香ばしさが引き立ちます。

■ 冷製和風コーンスープ
ぽってりとした喉ごしの良いスープは、夏のおもてなしや突き出し(前菜)にも最適です。

[作り方]
➀ 昆布を分量の水(適量)に浸しておく。
② とうもろこしの皮を剥き、包丁で実を削ぐ。
③ ①の昆布水に、実を削いだ後の「芯」とスライスした玉ねぎを入れ、フタをして弱火にかけ、ゆっくり20分ほど煮て出汁をとる。
④ ②の実を加え、好みの柔らかさまで煮たら火を止め、ハンドミキサーで滑らかになるまで攪拌する。仕上げに白みそを溶き入れる。
⑤ 冷蔵庫でよく冷やす。
(※温かいままでも美味しく召し上がれます。)

■ 芯の活用法
とうもろこしの芯からは、驚くほど豊かな旨味と風味が出ます。 出汁として、煮物やスープ、炊き込みごはんなどにぜひ活用してください。
たとえば、芯からとった出汁に、トマトやピーマンを合わせた「夏のミネストローネ」もランチにおすすめです。
味付けは鶏ガラスープと少々の塩少でシンプルに調え、仕上げにバジルを散らします。
とうもろこしの甘みとトマトの酸味が、疲れた体に心地よく染み渡ります。

■ ひげ茶
➀皮に包まれていたひげの中から、柔らかい綺麗な部分を選んでザルなどに出し、ざく切りにします。
②天日干しにして、カラカラになるまで乾燥させる。
(乾燥後は瓶などに入れて保存可能です。)
③鍋と水と乾燥したひげを入れ、弱火で5分ほど煮出せば、自家製ひげ茶の完成です。

井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。