体に効く食薬ごはん 11月『胡麻(ごま)』

2025年11月30日(日)

国産のごまはとても貴重で、現在流通しているごまの99.9%は輸入品、 国内栽培は わずか0.1% だそうです。
鹿児島県のごま畑では、収穫期が9月から11月ごろまで続きます。
収穫作業のあと、まず均等に束ねられて行儀よく並べて乾燥させます。
その後、脱穀し、ゴミなどを取り除いて選別し、さらに干すという作業が続きます。
こうした手間を思うと、本当に大事にいただきたいと思います。

効果・効能

ごまの成分の半分は油分です。
約3割が食物繊維・ミネラル・ビタミン類、残り2割がたんぱく質で構成されています。
また、白ごまの方が黒ごまより油分が多いそうです。
ごまから搾った胡麻油は、しっとりとしてコクがあり香ばしいので食も進みます。

ごまは 肌を潤し、便秘改善にも良いとされています。
抗酸化成分であるゴマリグナンに多く含まれるセサミンには、健康に良いごまパワーがたっぷり。
黒ごまは腎機能を補う食材とされ、昔から白髪の改善に良いとも言われてきました。
白ごまも好きですが、最近はポリフェノールも含む黒ごまを意識して摂るようにしています。

使い方・食べ方

ごまは弱火でよく炒ってからすり鉢に入れて半ずりにし、粗塩を加えます。
これを玄米にたっぷりふって食べると、本当に美味しい。
店頭では便利ないりごまをよく見かけますが、炒りたては香りが違いますよ。
格別に良い香りです。

ごまは、消化をよくするために、すりごまにしていただくといいですが、面倒な時は指でひねり潰すようにするだけでも違います。

ごま豆腐 【胡麻豆腐の葛粉焼き】
[材料] (4〜6個分)
  • 葛粉・・・40〜50g
  • 白練りごま・・・40g
  • 昆布出汁・・・350cc
  • A:甜菜糖 小さじ1、粗塩 少々、醤油 少々
  • まぶす用の葛粉 適宜
  • 仕上げ用:醤油少々、おろし生姜

[作り方]

  1. 鍋に練りごまを入れ、出汁を加えてよく混ぜる。Aを入れて混ぜ、葛粉を入れて溶かす。
    中火にかけ、木べらでしっかりと混ぜ、固まって来たら弱火にして10分ほど、更によく混ぜる。
  2. 水で濡らした型に1を流し入れ、台に軽く打ち付けて空気を抜く。
    ラップをして冷蔵庫でしっかり固まるまで冷やす。
  3. 固まった胡麻豆腐を型から外し、食べやすく切る。
    葛粉を薄くまぶし、油をひいたフライパンで表面に軽く焼き色がつくまで焼く。
    器に盛り、おろし生姜をのせ、醤油少々をかけていただく。

井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。


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