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体に効く食薬ごはん 9月『黒木耳(くろきくらげ)』

2025年9月30日(火)

中華料理でおなじみの黒きくらげは、薬膳でもよく使われる食材。
最近では国産の生黒きくらげもよく出回るようになり、嬉しい限りです。

きくらげはキノコの一種でと、の2種類があります。
生きくらげはぷるぷるとした食感が特徴で、乾燥させたものはコリコリとした独特の食感が楽しめます。

効果・効能

●● きくらげは血を補って潤いを与え、栄養を体のすみずみに届けるとされています。
生理不順や高血圧といった血液系の不調解消にも効果的と言われています。

薬膳で黒きくらげは老化防止や、エイジングケアに良いとされ、昔から不老長寿の食材とされてきました。
足腰の弱りや白髪など、老化が気になる時は率先して黒い色のものを食すとよいとされています。
黒ごまやごま油を足すのも良いですね。

鉄分も多く、タンパク質やビタミンCと一緒に摂取すると、効率よく体に吸収されます。
きくらげには食物繊維も豊富なので便通を促し、皮膚の再生力も高める効果も期待できます。

使い方・食べ方

水で戻したきくらげは小分けにして冷凍しておくと便利。
加熱調理をする場合ものは、下ゆでをしなくてもOK。食感を生かして調理します。
生の黒きくらげの下処理として、固めの石づきがあればを取り除き、表示通りに熱湯で茹でて食べやすい大きさに切ります。

きくらげのスープ 黒きくらげは生姜醤油や酢の物、春雨中華サラダに入れたり、炒め物に入れたりシンプルに楽しみます。
その他、お噌汁やスープ、鍋物に入れる(私はおでんに加えるのが好き)など。

きくらげは、食感のコントラストも楽しく味に癖がないので、汁物や炒め物などどんな料理にもサッと使えますし、様々な料理に展開できます。
また、たんぱく質やカルシウムの補給にもおすすめです。


簡単レシピをご紹介

【佃煮風】 ●●
乾燥きくらげは水で戻し、かぶる程度の水と少々の酒、しょうゆ、みりんを加えてしっとりやわらかくなるまで煮ます。
そのままでも美味しいですが、納豆に和えると食物繊維もたっぷりいただけます。

【甘酢漬け】
清潔な容器に茹でたきくらげを入れ、
・酢 80ml
・だし 50ml
・しょうゆ 小さじ1
・昆布 1切れ
・きび砂糖 大さじ2~3
・刻んだ赤唐辛子 1本
を加えて混ぜます。
冷蔵庫で3時間ほど漬け込めば、コリコリさっぱりとした食感がやみつきに。

【炒め物】
●● 1.きくらげは固い部分があれば切り落とす。
2.しょうがは皮付きのまま細切りにする。
3.フライパンを中火に熱し、ごま油大さじ1を入れてしょうがを炒め、香りを出す。
4.豚肉、長ネギや小松菜、きくらげを加えて炒める。
5.しょうゆ・みりん・酒(各小さじ2)を加えて味付けし、仕上げに溶き卵を流し入れる。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】