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体に効く食薬ごはん 4月「三つ葉(みつば)」

2025年4月30日(水)

日本ハーブの三つ葉(みつば)
三つ葉は、その名の通り、一本の茎に三枚の葉がつく代表的な香味野菜。
スーパーなどでよく見かける「糸三つ葉」、白い茎が上品な「切り三つ葉」、そして栄養価の高い「根三つ葉」など、種類もさまざまです。
さわやかで、すっきりした香りが特徴。
和食の仕上げや彩りに欠かせない存在ですね。

効果・効能

その香りの成分であるミツバエンクリプトーネンには、
血流を促進し、胃腸を健やかに導き、自律神経のバランスを整える作用があります。
気の巡りをよくすることで、イライラや憂うつ感を和らげ、リラックス効果も期待できます。
ストレスを感じやすい方には、積極的に取り入れていただきたい野菜です。

また、三つ葉には鉄分やカルシウム、カリウム、ビタミンC、カロテンなどの栄養素が豊富に含まれています。
油を使った調理にすると、カロテンなどの栄養をより効率よく摂取できます。
柑橘類と合わせることで、気の巡りと栄養効果がさらに高まります。

痰が多いとき、肌荒れが気になる時などにもおすすめです。

使い方・食べ方

選び方のポイントは、葉の緑が濃く、みずみずしいものを選びましょう。

来客時など、三つ葉があると一品の格がぐっと上がります。
お椀やお鍋、酢の物、炒め物、和え物、トッピングまで、幅広く品よく活躍してくれる万能選手です。

みつば椀
三つ葉の香りとだしの旨味が重なり、心を穏やかにしてくれます。
かまぼこのたんぱく質も加わり、深い味わいに。

結び三つ葉
茎だけをさっと茹で、2本を合わせて結んだ「結び三つ葉」
お吸い物に浮かべると、見た目も美しく、心づかいが伝わる一品に。

小結のおしのぎ
炊きたてのご飯に刻んだ昆布、ゆかり、すりごまを混ぜ、最後に刻んだ三つ葉をたっぷりと加えてさっくりと混ぜます。
小さな俵型に握れば、懐石料理でいう「おしのぎ」にぴったりの一品に。
ほんの2口ほどで食べられるサイズ感が魅力です。

井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】