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体に効く食薬ごはん 7月『ピーマン』

2025年7月30日(水)

旬のピーマンは、フレッシュで香り高く、若々しい味わいが魅力です。
暑さが厳しくなる夏は、五臓のうち「心」に負担がかかる季節。
そんな時期には、体の余分な熱を取り除く“清熱作用”をもつ苦味野菜(ピーマン・ゴーヤなど)を夏の食養生にいただきたいですね。

効果・効能

夏の緑黄色野菜の王様「ピーマン」
ピーマンの語源は、フランス語で唐辛子を意味する「ピマン(piment)」だそうです。
ビタミンCカロテンが豊富で、皮膚を健やかに保ち、疲労回復を助けます。
紫外線などのダメージが気になるこの季節には、特に食べたい野菜ですね。
ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくいという特徴があり、
コラーゲン豊富なたんぱく質と合わせると生成に役立つので、肌を潤す手助けをします。

たとえば、小魚と酢を使った甘酢炒めや南蛮漬けにすれば、鉄分やカルシウムの吸収もアップ。
豊富なカロテンは水に溶けにくく油に溶けやすいので、油と調理すると体への吸収率が高まります。

ちなみに、少し苦みのあるピーマンを時間をかけて完熟させると「赤ピーマン」になります。
甘みが増し、ビタミン類やカロテンの含有量が高くなります。

中医学的には、ピーマンは「気の巡りを促し、イライラをやわらげる」働きがあるとされています。
肝に働きかけて停滞した気の巡りを改善するので、気持ちを落ち着け、ストレスによる頭痛もやわらげます。

使い方・食べ方

切り方で食感が変わるのもピーマンの楽しいところ。
横切りにするとやわらかく、縦切りにするとシャキシャキ感が増します。

種やヘタ部分も食べられ、バーベキューなどいろいろな料理に展開できます。
とくにヘタ部分は、焼くとクシュッとして美味しいんですよ。


【ピーマンの丸煮】
我が家のベランダ菜園でも、鉢植えでもたわわに実っています。
それをもぎ取って手でギュッと押しつぶし、ヘタと種も丸ごと残したままごま油で焼きます。
酒、醤油、みりんで落とし蓋をして煮込みます。

【マルピー味噌汁】

材料
・ピーマン … 6個
・卵 … 2個
・味噌 … 大さじ1〜2(お好みで)
・昆布だし … 300cc
・ごま油 … 適量
・一味唐辛子 … 適量

作り方
1.鍋に、ごま油で丸ごと焼いたピーマンと
昆布だしを入れ、一煮立ちさせる。
2.味噌を溶き入れ、沸騰したら卵を割り入れる。
3.お好みの加減で火を通せし、お好みで一味唐辛子をかける。

暑い夏にササッと作れるお味噌汁は、簡単なのに野菜のビタミンや食物繊維をたっぷり摂取できます。
元気がでるタンパク質を加えれば栄養のバランスも◎。
免疫力の上がるお味噌汁、毎日食べたいですね。
丸ごとピーマンの種やヘタも使ったお味噌汁。
ピーマンをごま油で両面焼いてから出汁を加えます。
ヘタは柔らかくしんなりし、肉厚部分がより美味しく感じられます。ぜひお試しください。

【鯵のなめろう×ピーマン】
意外なところでピーマンは、薬味代わりに加えると魚の風味を邪魔せずに美味しくなります。
千葉の漁師さんに教わりました。千葉の漁師さんに教わった、とっておきの食べ方です。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】