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体に効く食薬ごはん 6月『ゴーヤ』

2025年6月30日(月)

ゴーヤ、ハンダマ、フーチバー(琉球よもぎ)、島らっきょうなど、沖縄を代表する野菜には、暑さに負けない薬膳的効果に優れたものがたくさんあります。

効果・効能

夏ならば、暑さに負けないように体の余分な熱をとるビタミンCやカロテンが豊富で、
利水効果があるなど、体をケアする食材が多いですね。
中でもゴーヤの苦味成分は、うだるような暑さからからだを守る作用が強く、
特に上半身の熱を下に降ろし、クールダウンさせる効能があるので、
頭にのぼった熱を鎮めてほてりや熱を冷まし、夏バテ解消にも効果的。

頭がすっきりして、イライラや憂鬱の改善によく、ビタミンCが豊富なので日焼けや疲労回復、風邪予防にも良いですね。

お隣の鹿児島県与論島の農家のおばぁは、ゴーヤの種とワタを水でクツクツ煮て、お茶にしていました。
ビタミンやカリウムなどが含まれるので薬効がありそうです。

またゴーヤ独特の苦味成分には胃液の分泌を促して消化を促す働きもあります。

使い方・食べ方

ゴーヤのワタは、お味噌汁に入れたり、天ぷらにもするそうで、捨てるところはありません。

性質を効果的に得るには生食が良いでしょう。
ゴーヤは薄切りにして塩もみし、ざっと水で洗って絞り常備しておくとお料理に展開しやすく便利です。
柑橘と合わせた酢の物や和え物にもよいです。

ゴーヤのビタミンCは加熱しても損失が少なく、油との相性もいい。
豚肉などタンパク質と一緒に摂取すると、元気になれるだけでなく、コラーゲンの生成を助けて、美肌効果が高まります。
たとえば「ゴーヤ+豚肉+にんにく」の、沖縄定番ゴーヤチャンプルー。

清熱しつつも、疲労を回復し、美肌も作る、いいとこ取りの夏の定番メニューです。
今回はゴーヤ梅チャンプルーをご紹介しましょう。



【ゴーヤ梅チャンプルー】
材料(2人分)
・ゴーヤー:1/2本
・梅干し:2個
・豚バラ薄切り:150g
・にんにく:適量(スライス)
・卵:2個
・ごま油:大さじ2
・マヨネーズ:適量(卵用)
【A】梅干し:1個、酒・塩麹:各大さじ1


作り方
  1. ゴーヤは6~7mm幅にスライスし、軽く塩もみしておく。
    ※Aは混ぜておく。卵はマヨネーズとよく混ぜておく。
  2. フライパンにごま油(半量)を熱し、卵を炒めて一度取り出す。
  3. 残りのごま油を足し、にんにく、豚肉、ゴーヤを炒める。
  4. Aで味付けし、卵を戻して全体を炒め合わせる。

【ゴーヤと春雨のさっぱり生姜スープ】

緑豆春雨も身体の余分な熱をとります。
あっさりとした春雨は、食欲がない時にもお勧めのお助け食材。
香りもよい生姜を加えて、冷え過ぎを緩和。
好みで旨味のでるタンパク質を加えて元気に。

作り方
  1. ゴーヤと生姜はごく薄切りにする。
  2. チキンスープで春雨と一緒に煮る。
  3. 桜えびやアサリなど、旨味のある食材を適宜プラスしても。

【ゴーヤやっこ】

ゴーヤは寒性でイライラを冷まし、豆腐も寒性で熱を取り、潤いを補給します。
ビタミンやたんぱく質豊富で肌の調子も整えてくれます。

作り方

ゴーヤは薄くスライスして塩揉みし、ごま油をなじませておく。
木綿豆腐の上に、なじませたゴーヤをのせ、その上にねぎなどの薬味やかつお節をトッピングする。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】