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**体に効く食薬ごはん**
11月「法蓮草(ほうれんそう)」

2024年11月30日(土)

真冬の寒い時期、旬のほうれん草は葉が肉厚になり、甘味も増しますね。
鉄分が多いので、昔から貧血などに良いとされている冬の代表野菜です。
ほうれん草が食べたくなったら実際に血が足りないのかも。
積極的にいただいて養生して下さい。

冬の代表、緑黄色野菜「ほうれん草」
露地栽培のちぢみほうれん草は、厚みがあり食べ応えがあります。
日照時間の短い冬の時期、光が満遍なく当たりやすいように、地面に張り付くように葉を広げます。
甘みが際立つ ほうれん草です。

効果・効能

この季節、乾燥しドライアイになりがち。
体の潤いが低下して涙の分泌量が減ると起こりやすくなるので、加湿器を使うだけでなく、食材でカラダを潤すことも大切です。

ほうれん草には鉄分が豊富に含まれており、血を補って体に潤いを補給する食材です。
貧血にも効果的です。
また涼性なので過剰な熱を取り去り、目の充血を癒す働きも期待できます。

ビタミンCカロテンも多く、風邪や動脈硬化予防にも最適で、五臓の働きも助けます。
肌の新陳代謝を正常に保ち、乾燥肌の予防に一役買います。
カロテンは脂溶性なので、油と一緒に調理するのが正解。
良質の油と一緒にとると、油とほうれん草の食物繊維が合わさって腸を潤し、カロテンの体への吸収も高めます。

根の赤い部分はマンガンが多く含まれます。
マンガンはカルシウムやマグネシウムと共に、骨の形成をサポートします。
ほうれん草は甘みもあり栄養価が高いので、根元の近くまで余すことなく食べましょう。
出来れば元気な有機栽培がおすすめです。

【保存方法】
ほうれん草は早めに使いきりたいですが、保存する時は新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、立てて野菜室に入れましょう。

使い方

茹でるよりレンジ加熱だとビタミンCの損失が少なくすみます(加熱後は水にさらして絞る)が、 茹でて、おかあげするのが美味しいですね。
※おかあげ(茹でたりしたものを水に浸けずにザルに上げて水気を切ること)

ほうれん草は結石の原因となるシュウ酸があるので、さっと塩茹でしてアクを取って水に放して水気を絞ります。 (ラップをしてレンジ加熱でも)

この季節の ほうれん草は、太くて元気なので、根元を数ミリ落とし、水を張ったボウルに入れてよく洗い、土などを落とします。
水に浸してシャキッとさせると、熱伝導がよくなりますよ。
茹でる時は熱湯に塩を加え、根元のほうから入れて茹でますが、色よく仕上げたい時は、茹でた後冷水に浸して、しっかり水気を絞ります。
卵焼きやお浸し・胡麻和え・ナムル等は、この下処理の後にアレンジするといいですね。


【ほうれん草のしょうゆ洗い】
下処理した、ほうれん草を4cm長さに切り、しょうゆを少々回しかけて、再度ぎゅっと水気を絞る。
定番の胡麻和えやお浸しは、このようにしょうゆ洗いしてから和えると、一味も二味も違うお店屋さんの風味になります。

【ほうれん草のクイックナムル】 下処理した、ほうれん草を食べやすいサイズにカットし、ピーナッツ油やごま油・塩、こしょう・おろしにんにく・出汁各少々を加えて和えます。

【ほうれん草のソテー】
茹でたほうれん草をにんにくとバターでふんわり炒め、ほんのりしょうゆとこしょうで味付けする。
ごま油やオリーブオイルで炒めてもOKです。
子どもも大人も好きな味です。

【ほうれん草の旨玉】
蟹玉ほうれん草バージョン。
卵焼きに下処理した、ほうれん草を入れてもいいですね。

【ほうれん草の梅浸し】
ほうれん草の栄養を効率的に吸収し、疲労も回復します。
お好みで仕上げに鰹節をふってください。

【ほうれん草の生姜豚しゃぶ】
ほうれん草を1/2~1/3に食べやすく切る。
出汁と酒を煮立て、おろし生姜を入れ、
薄切り豚肉とほうれん草をさっとくぐらせる。
お好みのタレに合わせて、頂きます。
ぽん酢や酢醤油の他
オリーブオイルと柚子胡椒も美味。
豚肉のみをしゃぶしゃぶして
茹でておいたほうれん草と共にいただいてもいいですよ。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】