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**体に効く食薬ごはん**
6月「新生姜(しんしょうが)」

2024年6月30日(日)

暑い夏といっても、よく考えると今では炎天下で過ごす時間は圧倒的に少ないものです。
農作業など外で働いている方を除けば、実際は一日中冷房の効いた室内にいる人が多いのではないでしょうか。
特に会社や駅、デパートといった公共の場は、冷房が低い温度に設定されていることが多く、
夏でも冷え性に悩む女性は少なくありません。
だからこそ夏場でも体を温める食材を意識して食べるといいですね。
そこで、今が旬の「新生姜」
特に新生姜の甘酢漬けは、おかずに添えたり、ちょっとつまんだりするのに最適ですね。

効果・効能

辛味成分のショウガオールジンゲロンは、体を温め代謝を良くして冷えを改善します。
また辛味成分は食欲増進効果があり、生魚肉の解毒作用、胃もたれ時などにも効果が期待できます。
アーユルヴェーダでは「万病を治す」
中医学では「百邪を防衛する」とされるほどです。

使い方・食べ方

色白でみずみずしい新生姜を甘酢漬けにしておくと便利。
身体もシャキッとする味です。
ガリを口にすると口中がスッキリし、食欲が湧きます。
刻んで漬け汁と胡麻と共にごはんに混ぜれば、簡単ちらし寿司などが直ぐにできます。
抗菌作用があり、防腐効果もグンと上がるので、梅雨や蒸し暑くなるこれからの季節、お弁当にもオススメです。
疲労回復効果もありますよ。
また、甘酢漬けと茗荷 (みょうが) を粗みじん切りにしてごはんに混ぜてもいいですね。
爽やかでさっぱりとした混ぜごはんは、食欲不振時にもおすすめです。

そして甘酢漬けを作る時の生姜のゆで汁は、カレーやスープ、麻婆豆腐などに使うとよい風味に。
生姜と酢は、疲れをとり、からだを温め、内脂肪を減少させます。




【新生姜の甘酢漬け】
[作り方]
①甘酢を作っておく。
米酢100cc、きび砂糖大さじ4、粗塩大さじ1/2強を小鍋に入れ、ひと煮立ちさせて冷ます。
②新生姜280gは皮付きのまま使います。
汚れがあればスプーンの背などで皮をこすり取って、繊維に添ってごく薄く切ります。
(新生姜の赤い部分を少し残して切って漬けると、漬け酢がうっすらピンクになります)
③熱湯にさっとくぐらせて、ザルに広げしっかり水気を切る。
温かいうちにキッチンペーパーに包んで水気を絞り、消毒した密封容器に入れます。
④ ③に①の冷ました甘酢を注ぐ。

なじめばすぐに食べられます。
清潔な密封容器なら冷蔵庫で半年は持ちます。

毎年大量の新生姜の甘酢漬けを作りますが、この甘酢漬け以外に私は砂糖を入れない酢漬けも作り置きします。
こちらは新生姜を少し厚めにスライスするのがポイントです。


皮つきの丸ごと新生姜を、味噌やたまり醤油、梅酢につけたものもお勧め。
よく漬かったものは、みじん切りにして納豆に入れたり、お吸い物や炒め物の味付けに使ったりすると、それだけで下味がつき、コリコリと食感のよいアクセントになります。



井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】