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**体に効く食薬ごはん**
3月「苺(いちご)」

2024年3月30日(土)

苺は、ハウス栽培されるので冬から出回っていて年中見かけます。
ですが本来の旬は春。
春先は香り豊かで美味しいですね。
真っ赤なみずみずしい苺を見かけると食べたくなります。
暖かくなってきたくらいの時期には、露地物の味の濃い小粒いちごが出回り始めます。
お手頃価格になってお財布にもやさしいので、ぜひ苺ジャムやシロップを作ってみてください。

効果・効能

苺はビタミンCが非常に豊富、果物の中でもトップクラスなのでコラーゲンの生成にも役立ち、肌養生や風邪予防にも良いです。
鉄分も含むので貧血予防にも効果があります。
この時期は空気が乾燥しているので、喉の渇きを感じやすい。
苺は唾液の分泌をうながすので、口内の乾燥を和らげます。

体の余分な熱をとって火照を沈め、その甘い香りでイライラした気分を落ち着かせる手伝いもします。
また程よい酸味が春にダメージを受けやすい肝を癒してくれるので、食養生します。

5粒程度食べると1日分のビタミンが得られるそうですので、ぜひ食べてみて欲しい食材です。

食物繊維も豊富に含み、乳製品と合わせると相乗効果があるのでお勧めです。
苺に含まれるアントシアニンは、乳製品の脂質と結び付くと吸収率が高まります。

牛乳と合わせればカルシウムの吸収をよくし、ヨーグルトと合わせると便通作用がさらに高まり、整腸作用で美肌効果やアレルギーなどにも効き目がありそうです。
苺に練乳をかけるのは食べやすさだけでなく、苺の栄養素と乳製品の脂質と合わせると体への吸収がよくなるからです。
子供の頃はお砂糖と牛乳が私の中でも名コンビでした。昔ながらの組み合わせにはちゃんと意味があるのですね。

使い方・食べ方

できるだけヘタが緑でピンと張り、実に傷がないものを購入します。
ヘタを落とすと切り口からビタミンCが流出し、水分を吸いやすいので、苺は必ずヘタつきのまま、水を張ったボウルに入れてさっと優しく洗うようにしましょう。
そうするとビタミンCの損失が少なく、汚れがしっかり取れ、水っぽくならないです。

【苺ジャム】
ぷるんとした苺ジャムです。

[作り方]
①苺1パック(300g)を洗ってヘタを取り、
酸に強い鍋(ステンレスやホーロー鍋)に入れます。
②グラニュー糖140gほど(いちごの重さの50%弱)に好みで
レモン果汁を適量加えて2割ほどつぶします。
③よく混ぜて表面にラップをし、2時間ほど水分があがるまで おきます。
④強火にかけ10~12分ほど、とろりとするまで煮て、
熱いうちに清潔なビンに目一杯に入れ、逆さにして冷まします。


※とろりとおいしいジャムはペクチンを壊さないように20分以内で仕上げることです。
好みで黒こしょうやミント、バジルなどを加えても。


【苺シロップ煮】

洗ってヘタを取った苺を縦半分に切り、
苺の半量のグラニュー糖と混ぜ合わせ、
半日から一晩おく(好みでレモン果汁少々加える)

強火にかけ、沸騰したら中火にし、
15分から20分焦がさないように好みの加減に煮る。

冷蔵庫保存がおすすめ、
常温保存したい場合は砂糖を増やして煮る。
パンやケーキ、ミルクやヨーグルトに合わせて下さい。


※苺を煮る時は、苺に砂糖をまぶしたらできれば半日から一晩あえておくと、美味しく仕上がる。


【苺のビネガーシロップ(ストロベリービネガー)】
清潔なビンに洗ってヘタを取った苺を入れ、苺の量より少し多めの氷砂糖を後から被せるように加えます。
変色しないように落としラップをかぶせてフタをして、水分が出てきたらたまにビンごとふると苺シロップが出来上がります。

それにお好みでりんご酢を足しても、さっぱりとして美味しさも増します。
苺色の紅色が可愛らしく、良い香りなので小さな姪っ子達にも大人気。毎年作っています。

[材料]
・苺 1パック(15〜20粒)
・林檎 半個(皮付き乱切り)
・リンゴ酢 瓶に入れて苺がかぶるくらい
・グラニュー糖 半カップ〜1カップ(好みで増量)
・レモン(国産) 輪切り2~3枚

[作り方]
①清潔なビンに、洗ってからヘタを取り、水気をよくふいた苺と林檎、レモンを入れる。
②上からグラニュー糖、りんご酢を材料がかぶる位加えて、
苺の顔が出ないようにラップをかぶせ、フタをする。
③砂糖が溶けるまでビンを1日1回ふる。
砂糖と苺が馴染んだら出来上がり(約1週間寝かせる)
※早く作りたい時は、小鍋に苺と林檎と砂糖を入れてからめ、弱火にかけて砂糖が溶けたら冷まして瓶に入れ、りんご酢を注ぎ、レモンを入れる。

[使い方]
適量をカップに入れ、ミルクを加えると少し固まって、ヨーグルトのような食感になります。
ヨーグルトと合わせ、生クリームとデザートにしてもいいですね。
ソーダやお酒で割り、酢のものやソース、ドレッシングに加えます。
それから漬物に少々加えて、ほんのりとした香りと色を合わせても。
香り付きビネガーシロップはステキに活躍します。


【苺の味噌だれ】
白味噌と苺をすり合わせ、味を見て好みの量の味醂か蜂蜜を加えると香りの良い、味噌だれに。
ネギぬたや田楽などに。



井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】