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**体に効く食薬ごはん**
2月「蕪(かぶ)」

2024年2月29日(木)

蕪はアブラナ科の野菜で青梗菜や菜の花の仲間です。
別名も多くありカブラ・カブナ・ホウサイなど、春の七草で言うならすずなです。
旬は春と秋の2回あり「白・赤」「大・小」とサイズも色々合って、根菜類に入ります。

効果・効能

普段私たちが食べている白い部分は茎(胚軸)で、その下の方のチョロリと細い部分が根です。
江戸時代には、主に葉を食していたそうです。
実際に葉には、カロテン・カルシウム・ビタミンAが多く、食物繊維など栄養価が豊富です。

葉を捨てずにたっぷりと頂きましょう。
油と調理すると効率よく栄養を身体に摂取できます。
胡麻やじゃこ、桜エビなどと調理するとさらに美味しく、栄養価も上がります。
ふりかけを作って常備しておくと良いですね。
フライパンにざく切りにした葉を入れ、胡麻油と塩をふり、強火で蒸し焼きに。
また、粗みじん切りの葉を揉んですだちなどをかければ、ビタミンCもたっぷり、酵素も一緒にいただけます。
ホールフードを楽しめる野菜です。

温性なので、体を内側から温める作用があります。
加熱して食べると胃腸を温め、食べ物の消化を促進します。
ビタミンCやカルシウムなどが豊富で、寒い時期の冷えからくる腹痛や消化不良、便秘といったお腹のトラブル改善にもお勧めです。
消化酵素のアミラーゼを沢山含んでいるので、お腹の調子を整える効果が期待できます。
また、薬膳では、生で食べると痰や咳といったトラブル解消にもよく、イライラや興奮を鎮める作用や、頭にのぼった気を鎮めのぼせ等に良いとされています。

使い方・食べ方

火を入れた時の柔らかいとろみも醍醐味です。
冷え込む朝、甘みが立ってとろりと柔らかく煮えたあたたかな蕪のお味噌汁は格別です。
朝の一杯のお味噌汁は、自律神経をオンにします。風邪予防にも良いのでこの時期の
「我が家の朝の定番」です。

癖の無いみずみずしい食感の蕪は最も漬物向きです。
[菊花蕪]
菊花蕪は歯ざわりが良く、疲れがとれます。
①皮をむいた蕪の両端を挟むように箸を置く(下まで切れないように)
 縦横に切り込みを細かく入れて30分ほど塩水に浸します。
②小口切りにした唐辛子、昆布一切れを入れた蕪るくらいの甘酢に
 水気を絞った蕪をつけて1時間以上冷蔵庫で寝かせます。
 ターメリックを甘酢に少し加え、ほんのりした黄色に仕上げて、肝機能を上げても。

[蕪の浅漬け]
蕪2個は薄切りにし、葉適宜は小口切りにしてポリ袋にいれ、塩少々で塩もみする。
酢:大さじ1、甜菜糖と濃い目の出汁:各小さじ2を袋の上から揉む。
好みで塩昆布や胡麻、唐辛子を加えても。
加熱するととろりと甘くなる蕪は火の通りもよく、内臓にも優しい。

[蕪のおでん]
蕪は大きければ食べやすく切って鍋に入れる。
かぶるくらいの出汁:500cc、酒・醤油・味醂:各大さじ1を入れて
落しぶたをし、中弱火で蕪が柔らかくなるまで煮る。
味をみて塩小少々で整える。
煮物は冷める時に味が染みます。
一度冷まして、食べる時に温めていただくとさらに美味くいただけます。


[かぶら蒸し)]
①皮付きの蕪2個をすりおろし、ザルに入れて軽く水気を切り、泡立てた卵白1個分と塩少々と合わせて混ぜる。
②塩と酒をふったエビや白身魚、きのこや豆腐などを耐熱容器に入れ、①をかけてラップか蓋をして、約8分蒸す。
鍋に出汁1と1/2カップ、みりん・しょうゆ各大さじ2を入れて温め、水溶き葛(なければ片栗粉)適宜でとろみをつけ、②にかける。
わさびやしょうが、ゆずの皮を好みで散らす。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】