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**体に効く食薬ごはん**
11月「林檎(りんご)」

2023年11月30日(木)

効果・効能

『一日一個のりんごで医者いらず』
甘酸っぱいりんごは、喉の渇きを癒し、胃腸の働きを整え、体の余分な熱を取ります。
いい香りには、不安感やあせりを和らげる効果もあります。
香りがよくリラックスするので私は枕元に置くことも。

子供の頃、体調を崩すと母がよくりんごをすってくれたものです。
りんごは85%以上が水分で、ビタミンC・カリウム・食物繊維・リンゴ酸・クエン酸・糖分と栄養満点です。
病気の時にすりおろしたりんごを食べますね。
「おろす」「する」という調理法も手伝って、胃腸にやさしく作用するので、病気改善・疲労回復に役立ちます。

風邪で空咳が出るときは乾燥して熱がこもっているので、まさにすりおろしりんごがぴったりです。
黄色い鼻水が出る時は体内に熱がこもっているサイン、りんごで身体の余分な熱をとると楽になります。
また、白い鼻水が出る時は身体が冷えている証拠。
身体を温める作用がある、にんにく・ねぎ・生姜などを消化良く調理しいただきます。

食物繊維のペクチンも豊富。
腸内の悪玉菌を抑え、善玉菌を増やしてくれるので、腸内環境を整える働きがあり、便秘の改善にも効果的です。

使い方・食べ方

りんごに多く含まれる食物繊維(水溶性ペクチン)は皮に多いので、よく洗って、なるべく皮付きでいただくといいですね。
有効成分を増やす方法がありますよ。皮を水でよく洗ったら水気を拭いて、皮ごと 茹でたり 焼いたりと熱を加えるとペクチンが増えて腸により効果的になります。


【アップルバター】
人気の甘酸っぱいリンゴのフルーツバターの作り方をご紹介。
作り方は簡単ですので、紅玉が出回り始めたら可愛らしいピンク色のさっぱりしたアップルバターをぜひ作ってみて下さい。
[作り方]
①厚手の鍋(酸に強いなべ)に、洗った紅玉2個分(皮付きのまま薄くスライスし)、
無農薬レモン1個分の果汁とハチミツ大さじ5を入れなじませる。
レモンの皮も剥いて加え、ふたをして時々混ぜて、弱火で10分ほど煮ます。
②①から、レモンの皮を取りのぞいて冷ます。
③ラップをかけずに600Wのレンジで30秒加熱したバター100gをボウルに入れ、②と混ぜる。
ハンドミサキーにかけてなめらかにしてもいいですね。
お肉のソースに加えてもよいものです。


【りんごタルト】
[作り方]
①パイ生地を重ね、麺棒などでタルト型より一回り大きく伸ばす。
軽く打ち粉をした型に敷き詰め、底をフォークで数箇所刺す。
②オーブンは200度に予熱する。
③2~3mmの厚さにくし切りにした林檎(紅玉など酸味のあるものが望ましい)を、①に重ね並べる。
④全体に大さじ1くらいのブラウンシュガーをふり、大さじ2くらいのバターを切って散らす。
(シナモンなどを好みで振っても)
⑤温めたオーブンで30分焼く。

井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】