メインイメージ

**体に効く食薬ごはん**
7月「トマト」

2023年7月30日(日)

暑い日にいただく冷たいトマトは喉を潤し、甘みと酸味が心地よく美味しく感じます。
最近ではお砂糖をまぶしたような糖度の高いトマトを口にすることもあり
果物のようなその甘さには驚かされます。
雄大な畑で真っ赤に実味の濃いトマトを見るだけで元気になりますね。
特にミニトマトは育てやすく、ウチのベランダ菜園でも元気に育っています。

効果・効能

トマトの赤い色素リコピン は、非常に高い抗酸化作用をもち、生活習慣病の予防にも一役買ってくれます。
ガンや動脈硬化を予防し、美肌作りにも有効です。
グルタミン酸 も多く、野菜の中で最も旨味が強い野菜です。

トマトは胃の働きを整えて食欲増進効果も期待できる夏野菜。
トマトのリコピンと豚肉のビタミンB1、ニンニクや生姜と合わせることで美肌疲労回復も効果的に上がります。
暑さで食欲が落ちているときにもよいので、夏バテの解消にも最適な食材です。
水分が多く、体にたまった熱を逃し余分な熱を取るので、暑い日の生食は喉や体を潤し、身体を涼しくします。

自律神経の乱れから多汗の症状にも効果的。
また、微寒性で体を冷やす働きがあるため、冷え性の人や夏場のクーラーで体を冷やし過ぎてしまう時は、唐辛子やニンニク・生姜・ネギ類などを合わせ、加熱して食べましょう。

ミネストローネなど、抗酸化作用が強いオリーブオイルと一緒に食べると、紫外線から肌を守る効果が高まるので、オススメです。
またトマトはビタミンCも豊富で、サーモンや鶏手羽先・スジなどのコラーゲンと一緒に摂取すると肌の生成が促されます。

食べ方・作り方

【トマトとすだちのマリネ】
ミニトマトの一番好きな食べ方に、トマトとすだちのマリネがあります。
胃腸の働きもよくするすだちと合わせ、夏バテ解消に。

半分に切ったミニトマトに粗塩とすだちを適宜絞り、器ごと冷蔵庫で30分以上冷やします。
シンプル過ぎますが、にじみ出たトマトのジュースの美味しいこと。
ビタミンCたっぷりのエキス!!
疲労もいっぺんに吹き飛びます。
トマトをすりつぶしたり、ペースト状にすると、細胞が壊れてリコピンが壊れ出て、さらに油と一緒に調理すると体に効率よく吸収できます。

【とうがらしトマト醤】

トマト・とうがらし・ニンニク・塩麹を合わせて攪拌するだけの万能調味料。
トマトをすりつぶしたり、ペースト状にすると、細胞が壊れてリコピンが壊れ出て さらに油と一緒に調理すると体に効率よく吸収できます。

トマトと麹の旨味、ニンニクととうがらしでパンチをつけています。
殺菌作用もあるので冷凍で2ヶ月、冷蔵庫で3週間ほど日持ちがします。
トマト醬があるととても重宝します。
冷奴や麺類に、魚や肉にかけて蒸し焼き、麻婆豆腐など、さっぱりとした仕上がりで美味しく簡単に調理が出来ますよ。


醤に使用する薬味やトマト、麹には滋養があり、身体を潤して元気にするものばかり。
ビタミンB1の多い豚肉とこの醬を合わせると疲労回復効果が高くなります。


【トマトと豆腐の汁だく麻婆豆腐】
トマトと豆腐のあっさりとした麻婆豆腐です。調味料は豆板醤と麺つゆだけなので 手軽に作れ、疲労回復を担います。
冷やしても美味しく、麺などに絡めても。
美肌作りやダイエットにもよい一品。トマトは何でもよく、今回はミックスしています。

[材料]
・トマト 300g
・絹こし 豆腐1丁(300g)
・鶏ひき肉 200g
・豆板醤 大さじ1~1・1/2
・麺つゆ(3倍濃縮) 大さじ1〜2
・ごま油 小さじ2
・水溶き片栗粉(片栗粉 大さじ1・1/2と水 大さじ3)


[作り方]
①豆腐をさいの目に切り、5分ほど下茹でして水気をきる。トマトは食べやすく切る。
②フライパンにごま油をひき、ひき肉と豆板醤を入れ、脂が出るまで炒める。
③②に①と麺つゆ、水1カップの順に入れ、3、4分煮る。
水溶き片栗粉を入れ馴染ませたら器に盛る。
※好みで香味野菜(ねぎ・生姜・にんにく) を散らしても。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】