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**体に効く食薬ごはん**
11月「春菊(しゅんぎく)」

2022年11月30日(水)

春菊が美味しい季節ですね。
薬膳では漢方薬としても用いられるほど、薬効のある野菜です。
春菊のβカロテンは緑黄色野菜の中でもトップクラス。
ビタミンC・A・K・ミネラル、食物繊維も豊富で、食べる風邪薬と呼ばれています。


効果・効能

すき焼きや鍋などに春菊がよく入っていますが、その独特の香りと風味が胃をすっきりさせてくれる感覚を持ちます。
実際に、特有の香りの成分ペリルアルデヒドは胃腸の働きを促し、胃もたれを改善させる効果が期待できます。
また、自律神経にアプローチしストレスを緩和し、イライラを鎮める作用もあります。
その他に、のぼせなどを覚える、なかなか痰が切れない方、貧血などの気になる症状がある方にも良いそうです。

食べ方・作り方


【サラダ】
春菊の栄養を効率的に体に摂取できる簡単なサラダをご紹介します。
水溶性の栄養は生食が一番、茎以外はそのままいただきます。 油を使うことでカロテンの吸収を良くし、硬い茎も食べやすくなります。
肝を養う食材の春菊と腎に効く黒い食材のひじきを合わせて、肝腎の整うサラダです。

[作り方]
①フライパンに4cmに切った春菊の茎の部分を入れる。
②あればひじきやワカメ、好みで戻した干し椎茸などを入れます。
③オイルと塩を全体に適宜ふり、蒸し煮にしてボウルに移す。
④葉の部分を加えさっくりあえて、旬の柑橘をたっぷり絞ります。


【春菊のクルミ和え】
香りや栄養が逃げないように加熱はさっと。
昔ながらのお惣菜ですが、なめらかな豆腐の口当たりにホッとするバランスのよい一皿です。
オメガ3などを含むクルミを加えると、美味しい上に美肌効果も上がり、便秘解消にも効果的です。

[作り方]
①春菊は硬い部分を落とし、熱湯で茎の方から塩茹でします。
②さっと冷水に取り、ザルに上げます。
③軽く絞って醤油適宜を全体にふり(醤油洗い)、ぎゅっと絞って3cm幅に切ります。
※下ゆでした野菜を醤油洗いするとグンと美味しくなりますよ、和食の調理法です。 
④半すりにしたクルミやごま、蜂蜜、醤油少々を混ぜたペーストと、醤油洗いした春菊を和えます。
⑤人参、きのこ、菊花、豆腐を加えると美しい白和えになります。

井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】