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**体に効く食薬ごはん**
9月「胡桃(くるみ)」

2022年9月30日(金)

くるみのように実のものは生命力の宝庫
中医学には似類補類 (にるいほるい) ・以蔵捕蔵 (いぞうほぞう) といって、 臓器の形に似ているものを補うとよい、という考え方があります。
くるみは脳の形に似ていますから、脳を活性化させ、認知症予防にもよいというわけです。 良質なビタミンEやたんぱく質が多く含まれているので、現代栄養学からみてもその効果は明らかです。
小袋に入れて持ち歩けるので、小腹が空いた時に手軽にいただけるのも嬉しいですね。


脳活にくるみ(効果・効能)

不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)のオメガ3を豊富に含み、脳を健やかに保ちます。
疲れやすい、集中力や記憶力の低下を感じるときなどにも。
また血流の改善を促し、コレストロール値を下げるなどの他、良質な脂(油)分が腸を潤し、豊富な食物繊維で便秘改善にもお勧めです。

食べ方・作り方

くるみを乾煎りするとポリフェノールが増します。
ローストして荒く刻んだものをサラダにトッピングすれば、香ばしさが増し、ワンランクアップの美味しさになります。

料理やお菓子に使うと、滋養効果が高くなり、風味も増して美味しくなりますね。
さらにすりおろすと濃厚なコクが加わります。
ただしカロリーは高めなので、ほどほどに。
一日7~8粒を目安にすると良いようです。


【くるみだれ】
いつもの胡麻だれにすったくるみを加えると、濃厚なやみつきだれになります。
くるみだけでも作りおくと便利。
乾煎りして、すり鉢ですってペーストにし、熟成しょうゆ麹または、濃いめの麵つゆと合わせる。
蕎麦、うどん、パスタなどの麺類にも重宝します。

[熟成しょうゆ麹 作り方]
麹:しょうゆの量は、基本1:2
※しょうゆは濃度で水気が変わるので、お好みの量
①麹を袋の上からキズをつけるようによくもみほぐし、清潔な容器に入れ、しょうゆを注いで混ぜます。
②2週間くらい、一日一回とろみが出るまで、清潔なスプーンで混ぜ、常温に置く。
 とろみが出たら冷蔵庫で保存します。
 ※ヨーグルトメーカーなどがあれば、60度に設定、一晩で完成します。


[食べ方]
熱々のご飯にくるみだれをからめた鯛の刺身をのせ、三口ほど食べたあと、 お好みでおろしわさびや海苔を添え、お茶か出汁を注いで贅沢なお茶漬けにすると、香りも立って2度楽しめます。

このくるみだれに、ゴマ油・酢を少し混ぜ、茹でた青菜や人参と和えるとお弁当にも良い和え物に。
野菜のカロテンも効率的に摂取でき、風邪予防や免疫力を上げる一皿になります。



井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】