メインイメージ

**体に効く食薬ごはん**
6月「糠漬け」

2022年6月30日(木)

暑さが増してきましたね。
乳酸菌やギャバがたっぷりの糠漬け、免疫力を上げイライラを防ぐ効果も期待できます。
疲労を感じやすいこんな時こそ、糠漬けがお勧めです。
汗をかくので、糠漬けの塩分が美味しく、酸味が心地よく感じます。
よく冷えた茗荷やキュウリの漬物などは格別ですね。

糠漬け

腸内の健康状態は体の軸です。
ヒポクラテス(古代ギリシャの医師)も「すべての病気は腸から始まる」と言っています。
アトピーや湿疹などのアレルギー・自己免疫力・感染症・うつ・認知症にも関連すると言われる腸、第2の脳とも言われる所以です。

腸内の免疫力(体の6、7割は腸が作る)をupする食材として日本の伝統食の糠漬けは素晴らしく、胃酸にも強いと言われている植物性乳酸菌が豊富です。 ヨーグルトなどに含まれている動物性乳酸菌とは違う種類なので、腸に与える刺激も違ってきます。
乳酸菌が生み出すギャバと言う成分には、脳の興奮を抑える効果が期待できるので、リラックスします。

もともと日本は漬物大国、野菜や肉・魚などを漬けるなど、地域性もあって多種多様です。
発酵している糠漬けや麹漬けは、様々な菌が作り出した成分や香りに、アルコールが生まれ栄養も旨味も重なり、保存性も高まります。
日本人の知恵の結晶のような漬物を健康の為にも今一度、見直してみても良いですね。

食べ方・作り方

夕食時にいただくと安眠を誘う働きがあるようです。 ギャバは発芽玄米・納豆・トマト・きのこなどにも含まれています、 合わせていただいて相乗効果を担ってもよいですね。

発酵が進んで塩気や酸味が出た漬物は、旨味も増しているのでタンパク質や野菜と合わせて炒め物や煮物にします。
刻んでお茶漬けなどにも最適ですし、冷たい昆布出汁と合わせれば、涼を呼ぶ美味しい椀物になり、元気も回復します。

【糠漬け】
[材料]
・生糠(新鮮なもの) 500g
・粗塩 60~70g
・水 2カップ

・赤唐辛子 2本
・角切り昆布(3cm角) 2枚
・生姜・粉辛子・干し椎茸など

[作り方]
①鍋に水2カップ強と粗塩を入れ溶かし冷ます。
②ホーローなどの密封容器に糠を入れ、①の塩水を少ずつ柔らかく(ぬかどこらしく)なるまで加えてよく手で馴染ませる。
③赤唐辛子、角切り昆布、生姜、粉辛子、干し椎茸などを適宜好みで加え混ぜる。
④捨て漬けの野菜を毎日変えて漬け、5、6日かけて発酵させる。 なめらかな糠床になれば、きゅうり等、軽く塩もみしてから本漬けします。

朝晩かき混ぜるのがいいのですが、最低でも1日1回は混ぜます。
容器のフチについた糠をキレイにふきとり、表面を平らにならして保存するとカビが生えにくくなります。
管理が難しい時は5、6日後発酵してから冷蔵庫保存します。


※旬の時期が過ぎていますが、生実山椒や青梅をポンと加えると風味が良くなって防腐作用が上がります。ぜひお試し下さい。

※ポリ袋に、鶏もも肉や、豚肉と糠床を入れ、2日間冷蔵庫で寝かせた後、糠を落とし焼いても美味しいです。








井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】