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**体に効く食薬ごはん**
5月「辣韭(らっきょう)」

2022年5月30日(月)

6月は手仕事が忙しい季節ですね。
カレーのお供にもなる辣韭(らっきょう)をたっぷり漬けますが、今年はどんな割合で漬けようかワクワクします。
古来より薬用でもあったらっきょう。体を温めて冷えによるトラブルの改善や、血液をサラサラにする効果も期待できます。
普段から食事に取り入れて免疫力アップを担いましょう。

効果・効能

辣韭(らっきょう)は中国原産で中薬学では韮白(がいはく)と言う名の生薬、 日本では畑の薬と言われるほど豊かな効能を持っています。
行気薬(気の巡りをよくする)であり、野菜の中でもトップクラスの水溶性食物繊維を含みます。
腸内の便を吸収するので、便秘解消に薬効があります。
ネギ類なので匂いがありますが(硫化アリル)、血行を良くするので冷え性の方に特におすすめです。
胃のむかつきを抑え、消化不良を改善する働きもあります。
購入時は丸みを帯び、あまり芽が出ていない新しいものを選んで下さい。

食べ方・作り方

【甘酢漬け】
[材料]
・らっきょう 1kg
・塩 大さじ2
・赤唐辛子 2本
・昆布 1切
・水 160cc
・グラニュー糖か氷砂糖 250g
(ハチミツやきび砂糖でも)
・酢 350cc
[作り方]
①らっきょうは茎と根元ギリギリの部分を切り、
ボウルに入れて流水で薄皮を取るようにこすり洗いする。
※剥きにくい時は、包丁で切った部分から引っ張るようにします。
※傷んでいるものがあれば除くか、包丁で剥く。

②塩でもんで20分ほど置き、ざっと水で流す。
③熱湯で8〜10秒茹でてそのままザルに広げて冷ます。
 消毒した保存容器に入れ、種を取った赤唐辛子と昆布を加えます。
④小鍋に水とグラニュー糖か氷砂糖を入れて溶かし
 酢をまぜて冷まして「らっきょう」の入った瓶に注ぐ。

2週間後から食べられます。
大事なのは芽が成長するので購入したらその日に仕込むこと、後は時間が美味しくしてくれます。


【らっきょうのタルタルソース】
らっきょうと豆腐は、疲労回復によい食べ合わせ。
肉や魚にかける、またサンドイッチにいれてもおいしいです。

[材料]
・甘酢漬けらっきょう 4~5個
・豆腐 1/2丁
◆ヨーグルト(無糖) 大さじ3
◆マヨネーズ 大さじ1
◆こしょう 少々
[作り方]
①らっきょう はみじん切りにする。
②豆腐は厚手のキッチンペーパーで包み、電子レンジ(600W)で2~3分加熱する。
粗熱が取れたら、ちぎってボウルに入れ、フォークでつぶす。
③②に①と◆を加えて混ぜ合わせる。

薄く刻んで炒め物にしたり、薬味がわりにしても。
細かく刻んで納豆と合わせると、ネギとは一味違った感覚で美味しいものです。
また、豚肉のようにビタミンB1が多い食材と合わせると、らっきょうの成分によって、 疲労回復効果が高まります。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】