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**体に効く食薬ごはん**
4月「アスパラガス」

2022年4月30日(土)

お日様に向かってスクスク育つアスパラガス。
オランダうどという別名があります。
ヨーロッパやロシアなど冷涼地で育ちやすく、日本でも北海道産が主流でしたが、近年では他の地域でも美味しいアスパラガスが育っています。
産地が一緒でも農家さんによって味わいが違います。
ワインのテロワール(土壌・その土地の気候)と一緒ですね。
土に近いアスパラの下の方の皮を剥いて、生のまま口にしてみるとそれがよくわかります。
アスパラは根元でポキっと折れるところがあり、そこより上を調理します。

効果・効能

薬膳でのアスパラガスは清熱滋養(せいねつじよう)といって、 元気をつけながら体の余分な熱を取る。
また、利尿作用があり、血圧の上昇も抑える効能があるとされています。
健康効果の高い抗酸化作用、血管を丈夫にして血流をよくするビタミンPのルチン
疲労回復や美肌効果が期待できるアミノ酸のアスパラギン酸などが豊富。
穂先の方に栄養が多く含まれています。

ホワイトアスパラガス

4月下旬~6月に元気な国産品が出回っています。
ホワイトアスパラはグリーンアスパラと同じ品種ですが、太陽の光が当たらないように育てたものです。
口当たりが優しく、独特の風味と旨味があります。
皮をむき、70度くらいの湯に塩と少しのレモン果汁を加え、むいた皮も一緒に入れます。
晒しやガーゼを伏せて15〜20分ほどゆっくり茹でます。
氷水に落とし、表面だけ熱をとり、ほんのり温かい状態でいただきます。
口中に広がるほろ苦さと、みずみずしい甘さを兼ね添えた野菜は、
ホワイトアスパラガスしか無いように思います。

食べ方&作り方

【天ぷら】
どんな調理法でも美味しいのですが、軽い衣の天婦羅が一番旨みを楽しめるかも知れません。
天ぷらは、野菜の水分や香りをギュッと閉じ込め、美味しさを逃がさない究極の和食技法です。
揚げたてを口に含むと濃縮した大地の香りが鼻を抜け、水分が滴るような感覚はまさに初夏の醍醐味です。
油と合わせると、アスパラガスのカロテンも効率よく摂取できますね。

[材料]
・アスパラガス
◆衣
・水 80cc
・小麦粉 50g
・片栗粉 20g
・溶き卵1/2個
[作り方]
①アスパラガスに小麦粉をはたき、ダマが残るくらいに混ぜた衣にくぐらせ 180℃の油で揚げる。



【塩茹でアスパラガスと山椒マヨネーズ】
歯ごたえを残した塩茹でのアスパラガスに、
自家製のハーブマヨネーズを添えると見た目と共になんとも爽やか。
[作り方]
下の固い部分を2cmほど切り落とし、下から4cmくらい皮をむく。
沸騰した湯で塩茹でし、色が鮮やかになったら器に盛る。

◆自家製ハーブマヨネーズ
①ボールに卵1個・塩小さじ半・酢小さじ2を入れて、旬の山椒やパセリ、ミント、レモンバーム、バジルなど、好みのハーブを軽く一掴みほど加え、ハンドミキサーで攪拌する。
②①に大さじ2〜3ほど、好みのオイルを少しずつたらしながら、もったりとするまでさらに攪拌する。
※油を多く加えるともったり感がさらに出ます。粒マスタードやからし適宜、少々の蜂蜜を加えても。


【昆布締め】
塩茹でアスパラガスは昆布締めもオツです。
塩茹でしたアスパラガスを昆布で挟み、ラップで巻いて数時間寝かせるだけ。
昆布のヨードがよく冷えた白ワインやこの季節の新緑にとても良く合います。

【保存方法】
保存する時は、湿らせたキッチンパーパーに包み、密封袋に入れて野菜室へ。
穂先を上にして立てて入れます。



井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】