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**体に効く食薬ごはん**
1月「韮(にら)」

2022年1月30日(日)

寒い季節には体を温める食材をとりたいですね。
ニラは起陽草(きようそう)とも呼ばれ、江戸時代は薬草として栽培されていました。
各地方では様々な別名も持っています。
どんな気温にも強く、繁殖力があるので年に数回収穫できる頼もしい野菜です。
滋養強壮・疲労回復・食欲増進に良いとされるニラは、最も調理しやすい野菜です。

効果・効能

薬膳でのニラは、滋養が高く肝機能低下を改善すると言われています。
抗酸化作用が高いカロテンや、強い殺菌効果のあるアリシンが免疫力を上げる手伝いをします。
豊富なカロテンは、油と調理すると効率よく体に摂取できます。
ささっと出来るナムルやおひたしなどは作りおきにもよく、他の料理にも展開しやすいですね。
ニラレバ炒めなどはシンプルな定番ですが、ニラのアリシン・カロテンとレバーのビタミン類・鉄分などが合わさって、元気をしっかりサポートする食べ合わせです。

エネルギー代謝を高め、血液循環をよくするので、冷えによる胃痛神経痛などの痛みにも良い効能が期待できます。
血行がよくなるので、肩こりや瘀血(おけつ)による目の下のクマ改善にもお勧めです。
お酒のお供に、血行を良くするニラをつまみにするとより身体が温まり、肝機能もケアします。

昔ながらの民間療法も沢山ありますよ。
嘔吐やゲップに困ったら、ニラをさっと茹でて絞ったもの(汁)と、 生姜をおろして絞ったものを牛乳で溶いて飲むと良いそう。
止血効果もあり、鼻血、不正出血などに良いとされていますが、 作用が強いので胃腸の弱い方、小さなお子さんは少し控えめに。
またニラはお腹のホウキと呼ばれるほど便通効果が高いので 便秘気味の方には良いです。
お腹が弱い方は蜂蜜と併用すると下すこともあるようなので 気をつけて下さい。
以外なところで、蕎麦とも相性が良いので、寒い季節には細かく刻んだニラを たっぷり入れた温かいニラ蕎麦も良いものです。


【ニラ玉】
簡単で滋養のある昔からの組み合わせ。
お好みであんかけにしても。

[作り方]
①ニラは適宜洗って4cm幅に切る。
 卵4個、めんつゆ大さじ2を混ぜておく。
②フライパンを中火で熱して、ごま油大さじ1をなじませ  ニラをさっと炒めて、①の卵液を入れる。
③30秒おいて大きく混ぜてふんわり焼き、器に盛る。
④小鍋に出汁1カップ、醤油・みりん各大さじ2、おろし生姜の絞り汁各小さじ1を煮立て、
 葛か片栗粉大さじ1を水大さじ2で溶いたものを加えてとろみをつける。
 生姜を加えたあんかけでさらに温まります、熱々をいただいて下さい。


【ニラのごまナムル】
[材料]
・ニラ  2束(230g)
・にんにくごま油
(おろしにんにく 小さじ1/2、ごま油 大さじ1と1/2~2を混ぜたもの)
・赤唐辛子  1/2本(縦に切る)
・黒すりごま  大さじ1と1/2
・塩 適量
[作り方]
①ニラは4cm長さに切る。
②フライパンにニラを硬い部分から入れ、 塩と唐辛子をふり、にんにくごま油を加え、蓋をして1~2分 中強火で蒸し焼きにする。(途中一度返す)
器に盛り、黒すりごまをふりかける。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】