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**体に効く食薬ごはん**
12月「小豆」

2021年12月30日(木)

15日の小正月(こしょうがつ)の朝、豊作や1年の無病息災を願って小豆粥をいただく風習があります。
小豆の赤色は、中国の風習に習い古来より【邪気を払う】とされ疫病を払うという神秘な力が信じられていました。
日本ではお祝い事があると、お赤飯を炊きますがこれも同じような風習から生まれました。
米やもち米にあるパワーと合わせて体が元気になる組み合わせなので、事あるごとに食されています。

デトックス効果

小豆には解毒作用があり、体内の余分な水分を排出するなど、デトックス効果が高いのです。
最近では蒸し小豆などの調理済みの商品もあるので、思い立ったら直ぐに料理に活用できます。
サポニンを含む小豆は、甘味だけでなく、サラダ・スープ・煮込み料理などに入れて日常的にいただきましょう。
特に日本は湿気が多いので、小豆の強い利尿作用と解毒作用は大切です。
水の代謝を促すのでカラダの余分な水分を排出し、むくみや怠さの症状を軽減する効能が期待できますよ。
その他ポリフェノール・サポニン・ビタミンなどが含まれており、中医学ではその高い効能から赤小豆と呼ばれる生薬でもあります。


【小豆粥】
朝食にいただくほんのり甘く温かい小豆粥は、胃腸に優しく1日のスタートに最適な食事と言えます。
朝のデトックスタイムにもピッタリです。
[作り方]
①小豆(大さじ3〜4)はある程度下茹でしておく。(市販のものでも)
②半カップ分のお米を洗う。
➂お米の量の7〜10倍の水を沸騰させ、①の小豆と②の洗った米を入れ、米油(サラダ油)少々を加えてひと混ぜする。
④再度沸騰したら弱火にし、30〜40分好みの加減に煮る。
仕上げに塩少々で味を整える。

【小豆茶】
残った小豆は繊維が豊富、お菓子や料理に。
[作り方]
①小豆60gは洗って水気を拭き、フライパンに入れ、色付いて香ばしくなるまで気長に乾煎りする。
※トースターで5〜7分程加熱してもOK
②①を鍋に移し、水を3カップ入れ沸騰させて弱火で20〜30分ほど煮て漉し器に通してお茶にする。
※保温ポットに炒った小豆を入れ、熱湯を注いで一晩置いてもOK

【ぜんざい】
神さまにお供えしていた鏡餅のお下がりで焼き餅ぜんざいを作ります。
指で潰れるくらいに柔らかく下茹でした小豆に、きび砂糖や甜菜糖を小豆と同量加えて、隠し味に粗塩少々を加えてよい塩梅にします。
鏡開きで開いた(割った)お餅を(水に浸してふやかし)、トースターに入れ香ばしく焼いて浮かべます。

【小豆麹(小豆甘酒))】
小豆と麹だけの自然な甘さですが、しっかり発酵させると甘酒のような充分な甘さが出ます。
冷蔵庫で保存し、早めに食べきります(甘酒なので、冷凍すれば1ヶ月保存可能)。
[材料]
・茹で小豆 450g
・生米麹 200g
・水 1カップ
[作り方]
◆発酵メーカー 使用
①茹で小豆と麹をこすり合わせる。
②発酵メーカーに①を入れ、水を注いで混ぜる(水分が足りないようなら、水適宜を足す)。
③60度で時々かき混ぜながら2日間ほど置くと極甘になり、麹臭が飛びます。
◆炊飯器 使用
保温モードにした炊飯器に、発酵メーカー使用同様に①②を行う。
途中混ぜながら8〜10時間ほどで出来上がります。

※お好みで塩少々を加えたり、粒感が気になる方は、仕上げにハンドミキサーである程度撹拌しても。
クリームチーズやバターと一緒にパンに塗ったり、豆乳やミルクで割って飲んでも美味。
シナモンなどもよく合いますよ。

井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】