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**体に効く食薬ごはん**
10月「里芋」

2021年10月30日(土)

里芋の郷土料理が全国に数多くあります。各地方伝来の里芋ごはんや汁物
宮崎県のぬた芋・東北の芋煮・栃木県の芋串・茨城県のごま味噌煮・千葉の芋餅
どれも郷土色豊かで美味しそうです。
柔らかく滋養のある里芋はしみじみ美味しい。
この季節の里芋は、みずみずしいので調理も楽。
旬の美味しさをたっぷり堪能してください。

里芋

【里芋の粘り】
中医学では、病気に対する抵抗力をつけ、胃腸の改善に特によいとされています。
食が細い方や、病後の方にもおすすめです。
里芋の粘りは粘膜を保護し、消化・吸収を高めるなど疲労回復・風邪予防にも有効です。
食物繊維も豊富でなので、便秘改善にもお勧めです。
里芋を蒸し器で蒸していただくと養生を手助けします。


【ずいき】
里芋の葉柄も美味しくいただけます。
ずいきは芋がらとも呼ばれる里芋の葉柄です。
旬の生ずいきは独特の食感が美味しく、煮物やおでんなどに入れてその風味を楽しみます。
昔から古血を洗うと言われる民間療法があり、出産後の女性に良いとされてきました。
乾燥ずいきは、皮を剥いて、2週間ほど風通しのよいところで干し、乾燥剤と密封袋や容器にいれて保存します。


【里芋の煮っころがし】
[材料]
・里芋
・出汁 400cc
・酒 50cc
・きび砂糖 大さじ2
・醤油 大さじ2
・ごま油 大さじ1


[作り方]
①鍋を熱し、ごま油をなじませて里芋を炒めます。
出汁・酒・きび砂糖を加え、厚手のキッチンペーパーを落しぶたにし、
10分ほど中弱火で煮る。
②醤油を加えてさらに8~10分ほど煮て、最後に強火でとろりとした煮汁をからめる。
※食べきれずあまったら、薄く衣をつけて揚げ、熱々のおだしをかけても美味ですよ。


【里芋のオーブン焼き】
色々な調理法がありますが、粘りのある野菜は焼くだけで十分美味しいです。
里芋はこすり洗いして、かたい部分を切り取り、水気を拭く。
天板に里芋を並べ、200度くらいのオーブンで20〜30分ほど焼く。
皮ごとスルリと剥けるので、シンプルにオリーブオイルと塩を振りかけ
ほっくり・ねっとり・熱々で堪能してみて下さい。


【下処理メモ】
◆里芋の真ん中あたりに1周切り込みを入れる。ボウルに入れ、水少々を回しかけてラップをし、
600wのレンジで4分加熱する。返してさらに4分ほどかけたら、水にざぶんと潜らせるとつるりとむけます。
◆指の痒みを抑えるには酢につけると軽減します。


井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】