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**体に効く食薬ごはん**
9月「栗」

2021年9月30日(木)

秋の味覚【栗】
栗にはビタミンB1、カリウムが豊富。それ以外にもビタミンCも多く含みます。
中医学での栗は、腎の機能を助け老化防止に有効です。
血流を改善し、足腰のだるさなどによく、実は美容食でもあります。

栗 (くり)

渋皮に含まれるポリフェノールの一種、タンニンには抗酸化作用が期待できます。
少し面倒ですが、渋皮を残した渋皮煮などにするのもお勧めです。
(栗は、密封袋に入れて冷蔵庫で数日間置くとデンプンが糖に変わって甘くなります)

栗の鬼皮は硬いので、熱湯に30分くらい浸して柔らかくすると剥きやすくなります。
栗の下部分と皮の変わり目部分から包丁を入れ、引張るように鬼皮を剥くと楽です。

【栗のつぶつぶポタージュ】
市販の甘栗を使った、簡単に作れる栗の風味が豊かなポタージュです。

[材料] (2人分)
・むき栗(加熱したもの)(正味200g)
・長ネギ 1本(白い部分)
・バター 大さじ1
・豆乳(牛乳) 1カップ
・塩・胡椒・鶏がらスープの素  各少々

[作り方]
①鍋に薄切りにしたネギと栗を入れてバターを加え、中弱火で4、5分炒める。
②①に2カップの水を入れ、蓋をして柔らかくなるまで15分煮る。
③②が柔らかくなったら、ヘラやフォークでつぶし、豆乳を加えなじませる。
※塩・胡椒・鶏がらスープの素で味を整える。
※器に盛り、お好みでココナッツオイルやオリーブオイルをたらしても。

【栗ご飯】
お米と栗を合わせると脾胃(ひい)の働きを助け、元気になる効果が上がります。
少々のもち米を加えるともっちりとした食感が、栗の美味しさを底上げします。

[材料・作り方]
・米 2合
・もち米 大さじ4
・むき栗 (正味250〜350g)
・酒 大さじ2
・塩 小さじ1/2
・薄口醤油 小さじ1/2
・米油(サラダ油) 小さじ1


①米ともち米を洗って1時間水に浸してザルに上げ、炊飯器の内釜に入れる。
②剥いた栗は30分水につけアクを抜く。
③①に目盛り2合分の水を注ぎ、調味料と米油を加えてひと混ぜする。②の栗をのせて普通モードで炊く。

《栗ご飯の美味しいコツ》
シンプルな調理ですが、その方が栗の香りと甘みが引き立つように思います。
作り方の②の下処理が終わったら、鍋に入れて栗が浸るくらいの水、塩と砂糖少々を加えて うっすら下味をつけてからご飯に加えて炊くと和食屋さんのお味に。

【栗きんとん】
少し気が早いですが、同じ旬のさつま芋で作るきんとんのお話しとレシピです。
きんとんは漢字で「金団=きんとん」と書きますが、これは黄金色の財宝を表す縁起物の意味だそう。
商売繁盛や金運に恵まれた豊かな暮らしを願って食されます。

[材料・作り方]
①安納芋2本を水で濡らしてアルミホイルに包みオーブンで柔らかくなるまで焼く。
※安納芋以外のさつま芋を使う場合、皮をむき2cm幅に輪切りし、クチナシと一緒に柔らかく煮て黄色く色を着けます。
②①の皮を剥いて取り除き、中身を小鍋に入れ、栗の甘露煮のシロップを半カップと
粗塩ひとつまみを加え、木べらか、泡立て器でピューレ状になるまで混ぜる。
※安納芋は充分甘いお芋なので、好みでシロップを少なくしても大丈夫です。
③②に甘露煮の栗を加えてさっくりと混ぜあわせる。
密封容器に広げて冷ましたら出来上がりです。

りんごを煮たものや柚子を加えて少しさわやかさを足しても。
私は数ミリの角切り生姜のあられを水にさっと放し、水気をしっかり拭いたものを散らすのが好きです。
甘い中にもキリッと〆る大人のきんとんになり、生姜のアクセントがクセになります。



井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かした
シンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの
火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】