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**体に効く食薬ごはん**
10月「きのこ」

2020年10月30日(金)

寒さが増してきましたね、色々なウイルスが飛び交う季節です、打ち勝つ体を作りましょう。
免疫力を上げる手伝いをするきのこ。
そのまま調理するより栄養価を上げて効率よく体に摂取する方法をご紹介します

菌活・干しきのこのススメ

これから益々美味しくなるきのこ類。

低カロリーでヘルシー
食物繊維やビタミン類
ミネラルが豊富
自身が菌の集まりの子実体です。

きのこを干して乾燥させると
風味もよくなり栄養価も高くなります。

共通してもつ成分には
B-グルカンと呼ばれる
食物繊維の一種があります。
このグルカンには、細胞を活性化させて
効果的に免疫力をアップさせる
効能が知られています。

きのこの特徴・効能・おすすめの食べ方

【椎茸】
椎茸は生で調理しても栄養価はありますが、干すと骨を強化するビタミンDの栄養素が何倍にも増えます。 (含まれるエルゴステリンが日光にあたるとビタミンDに変わる)
お天気の良い時にザルにのせて30分程お日様の下で干すだけ
旨味が増してコリコリとした食感が楽しめます。
作ったらなるべく早く調理していただいて下さい。
ビタミンDはカルシウムと合わせて調理すると更に効果が上がります。

[おすすめの食べ方]
お子さんにはミルクやチーズできのこのクリームシチュー
年配の方には小松菜や桜えびを加えた茶碗蒸しにするなど。

椎茸を炭火やグリルでシンプルに焼く時、軸を上にして焼くと旨味を逃しません。
塩を振って焼くと笠の中に水分が出て焼けてきた合図、加熱しすぎると美味しさが半減します。見極める目安にして下さい。


【舞茸】
舞茸は、きのこの中でも抗がん作用が群をぬいて高いと言われています。
栄養価も美味しさも増すので、舞茸もぜひ天日干しして下さい。
舞茸は血圧や血糖値を正常にする効能も期待できるので、生活習慣病予防にもおすすめです。
金気を嫌うので手でほぐして調理します。

[おすすめの食べ方]
香り高い舞茸は特に天婦羅がお勧め。鼻に抜ける香りや旨味は最高です。
汁物に入れると黒っぽくなりますが、水溶性なのでスープや鍋にしてクツクツ煮込んで 汁ごといただいて下さい。
舞茸はタンパク質を分解する酵素を含んでいるのでお肉などと一緒に使うと柔らかくなります。


【なめこ】
なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。
なめこのゼラチンがまとわりついているような、独特のぬめりは胃壁を保護し
水溶性食物繊維は腸内環境をしっかり整えます。

[おすすめの食べ方]
朝1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの。
なめこのお味噌汁の優しいとろみに活力が生まれ、1日を元気にスタートできます。
二日酔いの朝にもお勧めです。
大粒のなめこが手に入ったら、豚肉の薄切りなどと炒めものにしてみて下さい。
旬の醍醐味が味わえます。


【しめじ】
最近スーパーで見かける太めのほんしめじ・はたけしめじなどがありますが
一般的に出回っているのはぶなしめじなどです。
しめじはシジミにも入っているオルニチンが豊富なので、肝臓機能に働きかけてくれます。
お酒をたしなむ時や二日酔いなどにもよく、アンモニアの分解力で 疲労回復時などにもお勧めのきのこです。

[おすすめの食べ方]
旨味も出るので、お鍋や炊き込みご飯などにたっぷり活用して下さい。
しめじは水から煮て下さい。


【えのきだけ】
最もポピュラーな白いえのきは品種改良されたもので、通年お手頃価格で入手できます。
ヘルシーで食物繊維、ビタミンB1.B2などを含みます。
えのきも干すと独特の食感が楽しく、市販品も販売されています。

[おすすめの食べ方]
石づきを落とした根本部分2cmほどは、手で大きくほぐして調理すると ホタテのような食感になるので、煮ものや炒め物やフライもお勧めです。
自然なとろみを生かしたなめたけをいつも常備しておくと便利です。
寒い季節は生姜やニンニク・豆板醤などを加えて冷え改善にも役立つ作り置きがお勧めです。

きのこの調理方法の注意点・保存方法

きのこは数種類合わせるとそれぞれの旨味や食感が重なりあって、美味しさが増します。
高温すぎない温度で、なるべく短時間で調理して香りや歯ごたえを残して楽しんで下さい。
酵素の働きで加熱すると旨味が増すようです。
『水で洗わない・なるべく手で裂く・日干にする』
この3つが効果絶大きのこの下ごしらえ。
きのこは石づきだけ包丁で切り落とし、洗わず、手で食べやすい大きさに裂いて下さい。

保存する時は、色々なきのこを薄切りにして冷凍すると便利です。

干しきのこを使ったレシピ

【干しきのこの酢漬け】
[材料]
・水 200mℓ
・酢 100mℓ
・きび砂糖 大さじ3〜4
・粗塩 小さじ1半
・昆布 5cm角2枚
・トウガラシ 1本
・干しきのこ 2カップ

[作り方]
①水・酢・きび砂糖・粗塩・昆布・トウガラシを煮たて、干しきのこ2カップ分を入れ2~3分煮ます。
②清潔な容器にいれ、半日おく。
※冷蔵庫で約2週間保存が可能です。

【干しきのこのロシア漬け】
[材料]
・干しきのこ酢漬け
・ヨーグルト 大さじ3
・にんにくスライス 4~5枚
・うずら玉 10個
・ローリエ 1枚

[作り方]
上記の干しきのこの酢漬けにヨーグルト・にんにくスライス・ローリエ・うずら玉を入れてまぜ
マイルドな洋風ピクルスにしても食べやすいです。
女子受け必須のピクルスです!



井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」、「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

link:【食薬ごはん】

Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】