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**体に効く食薬ごはん**
7月「酢(す)」

2020年7月30日(木)

7月は抗菌効果があり、内脂肪をも減少させるお酢のお話し

世界最古の発酵調味料

酢は世界最古の発酵調味料と言われ、万葉集にも登場します。
味噌、醤油と並ぶ日本の食文化を支えてきた伝統的な発酵調味料。
酢は様々な国々の風土に根付いたお酒から作られており、名前の由来も判りやすく面白いですね。
例えば日本の酢は酒から作られるので酉(とりへん)で酢、フランスの vinegar(ビネガー)はvin(ワイン)、イギリスの(malt vinegar)のモルトは麦芽から出来ているというように
穀物が原料の穀物酢と、果実が原料の果実酢に大別されます。
果物や野菜から作られているものには、みかんや柿、玉ねぎ、紅芋など多様にあり 林檎酢は世界各国で作られています。

酢の健康効果

酢の酸っぱさのもとは、酢酸やクエン酸などの多種類の有機酸です。
クエン酸は食物エネルギーを活動するエネルギーに変えるなど、 疲労を回復したり、スタミナアップに役立ちます。
キレート作用でカルシウムを吸収させたり、血液をきれいにし血行をよくする、 内脂肪を減らす、消化促進、食欲増進など沢山の健康効果が期待できます。
食材と合わせても効果を発揮します。
高い防腐作用に加え、例えば酢飯は、エネルギー源の糖質と疲労回復効果がある酢を合わせるので更に元気になる効果が高まり、血糖値も緩やかに上昇させます。

酢の活用方法

夏場のちらし寿司は簡単に作れる夏バテ防止ごはんです。
抗菌作用も加わったさっぱりした酢飯に、刻んだ薬味や夏野菜とたんぱく質を バランスよくトッピングした一皿は食欲の落ちた日にもお勧めです。
酢にはしっとり効果もあり、スクランブルエッグや、チョコレートケーキにひと垂らししても。
昆布にはカルシウムが含まれています。
酢に漬けると酢酸カルシウムになって体により摂取しやすくなります。
昆布に酢を加えておくだけ。
昆布が酢にしっかり浸かっていれば常温で数ヶ月間日持ちします。
この昆布酢にナチュラルな甘みのクコ(コジベリー)を入れた「薬膳酢」は、薬効も高くなり、使いやすいのでとても重宝します。


酢は原料の違いで酸味や色味、香りなど様々です、料理や体調によって使い分けると楽しくなります。


《夏のちらし寿司》
夏野菜を使ってちらし寿司
きゅうりは薄切りにしてかるく塩揉みする、紫蘇は細切りにする。
薬味やゴーヤやセロリは好みで薄切りにして加えてもいいですね。
青野菜は体の余分な熱を取る清熱作用があります。





井澤 由美子

料理家。調理師、国際中医薬膳師、国際中医師
NHKカルチャー薬膳講師
旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理に定評がある。
醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳に造詣が深い。
レモン塩、乳酸キャベツブームなどの火付け役としても知られています。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」、「趣味どきっ!」「ライフ」などの料理番組他、企業CM、商品開発、雑誌、カタログ、イベント、書籍、発酵レストランなどのプロデュースを手掛ける。

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Instagram:【yumiko_izawa(井澤由美子)】