AWARD2024年度. 認定製品

伊藤農園がある有田市は、傾斜地のほとんどが石垣の段々畑になっている全国でもめずらしい地域です。石垣は保温効果、排水効果、光の反射効果があり、おいしいみかんづくりの秘訣です。平地に比べ移動が困難なため、栽培や収穫にはかなりの手間ひまがかかりますが、より強いコクと甘みのあるみかんをつくることができます。

100%ジュースといえば、果実の皮ごと搾る「インライン方式」や果肉の袋を残したまま搾る「チョッパー・パルパー方式」が一般的です。しかし、どうしても口の中に重たいクセが残り、有田みかんの美味しきが充分発揮できないと思い、果肉部分だけを搾る機械を考案しました。柑橘の外皮・内皮の成分がジュースに含まれないよう、柑橘を半分に切りお碗の上に載せ、もうひとつのお碗でやさしく上からおして搾ります。一般的なみかんの搾り方なら搾汁率は約65%～50%、それに対して伊藤農園の搾り方だと一つの果実から約30%の果汁しかとれません。そんな贅沢な製法だからこそ、クセのない柑橘本来のうまみ、香りが口いっぱいに広がります。

伊藤農園では、味はいいのに傷がついて見た目が悪く、市場に出回ることができないみかんをどうにか活用することができないか…そういった思いからジュースづくりが始まりました。みかんの収穫時期は、毎日のように近隣の農家さんから工場前にみかんが届けられます。そのみかんを選別・洗浄し、ジュースとして加工しています。畑からすぐ工場へ、そしてそれをすぐ搾る。添加物を何も入れずにただ搾ったままのジュースをつくる。とてもシンプルでありながら、他の地域、他の会社ではできない製造方法こそ伊藤農園の最大の強みであると思っています。